返事に現れるのは親の「○○○○」
謙遜を美徳とする日本の文化ですから、もし、よその子を褒めて「ええ、私もそう思います」という返事がその子の親から返ってきたら、褒めた方も一瞬戸惑うかもしれませんね。
でも、私は、欧米の親が自分の子どものことを謙遜することなく、人前で堂々と褒めるのだということを知ってから、“I’m proud of her (him you).” が、とっても素敵な表現だなと思うようになりました。
この表現は、単に子どもを褒めるというだけでなく、あなたを育てたのは親である自分なのだと暗に伝えていますよね。
子どもを褒めると同時に、親自身のプライドも感じられる表現です。
未来の危機!? 世界に比べて、若者の「意欲」が低い日本
今日本では、若者の自己肯定感が、世界の他の国の若者に比べて低いことが問題になっています。
内閣府が平成25年に行った、7か国の満13歳~29歳の若者を対象とした意識調査によると、日本の若者は、「自分自身に満足している」が他国の若者に比べてとても低く、逆に、「悲しいとか憂鬱だと感じたことがある」の割合が高かったのです。
また、「うまくいくかわからないことにも意欲的に取り組む」という割合は低く、「つまらない、やる気が出ないと感じたこと」があるという割合がとても高いのです。
このことは、日本の若者が、「自分には価値がある」という自尊心や自己肯定感が持てず、若者らしい夢や希望、チャレンジ精神や意欲に乏しいということを表しています。
日本の若者の自己肯定感が乏しいのは、日本の文化や社会や教育の在り方など、様々な原因が考えられますが、親の在り方もその一つかもしれないのです。
一番身近な存在である親に認めてもらえるのが、子どもにとっては何よりも大きな励みになるはずです。
もし日本でも、親達が「お陰様でうちの子はいい子に育っています」とか「誇りに思っています」と、子どもの前で言うようになれば、日本の若者の自己肯定感ももう少し高くなるかもしれません。