子どもの健やかな成長のためには、十分な睡眠が必要不可欠。

しかし、社会全体が夜型の生活に偏る中で、子どもの睡眠時間は減り、生活のリズムが乱れるなど、睡眠をめぐる環境は悪化傾向に。

大人がそれなりの努力をしない限り、十分な睡眠を確保するのはなかなか難しいようです。

睡眠が不足すると、子どもたちにどんな影響があるのでしょうか?
睡眠の役割やよい睡眠のポイントについて、まとめてみました。 

子どもの睡眠の役割とサイクル

人間は、眠ることによって、疲れた脳と肉体を休ませています。

睡眠にはサイクルがあり、ひとつのサイクルで、まず「ノンレム睡眠」が1時間半ほど現われ、その後、30分ほど「レム睡眠」が現われます。

順番としては、初めに脳が休み、そのあとで身体が休みます。
このサイクルを、一晩のうちに3~5回ほど繰り返すと言われています。

・最初の2時間が肝心! 「ノンレム睡眠」の役割

「ノンレム睡眠」は、おもに脳と肉体の疲労を回復させ、免疫力や新陳代謝を高める働きをします。

特に大事なのが、寝入ったあとの最初の2時間サイクルで、この時間に質の高い「ノンレム睡眠」をしっかりとることで脳を十分に休ませることができ、効果的に疲労回復ができるそうです。

また、損傷を受けた細胞や組織を修復する「成長ホルモン」がたくさん分泌されるのも、最初のノンレム睡眠のとき。成長ホルモンは、子どもの成長だけでなく、大人の“肌ツヤ”も左右する大切なホルモンです。

・IQが高い子の方が長い!? 「レム睡眠」の役割

「レム睡眠」は、記憶や情報の整理とかかわっています。

身体は休息していても、脳は活発に働いている状態で、新しいことを体験した日にはレム睡眠の時間が長くなる、とも。

知能指数(IQ)が高い子どもは、処理する情報が多いためか、普通の子どもと比べて「レム睡眠」の時間が長いという報告もあります。

また新生児はこの「レム睡眠」の時間が長く、睡眠の約半分を占めていることからも、人間としての成長に重要な役割を果たしているといえそうです。