今だからこそ演じてみたい役柄
――ダンスであったり、身体で表現する部分についてはいかがですか?
田村:ミュージカルと同じくらいの時期に、ジャズバレエを習っていたんですね。そのため踊る時につま先を伸ばしたり、上半身での重心の取り方がしみついていたので、加入当初は大変でした。
ハロプロ研修生からのメンバーは、ダンスで必要な下半身での重心の取り方に慣れていて。当時の映像を見ていると、今とはぜんぜん違うなという印象もありますね。
グループの曲をたくさん踊ることで自然と慣れていき、曲調や細かな振付けに合わせて「バレエっぽく踊ろう」とか「ダンスとして魅せよう」と切り替えられるようにもなったので、自分自身の“味”にもなっているのかなと思います。
――パフォーマンスにもやはり活かされているんですね。アンジュルムとしての活動では、田村さんの真骨頂ともいえる舞台にも挑んでいますね。現在の立場で、ミュージカルの舞台に立てるというのは嬉しかったですか?
田村:加入してからは舞台へ立つ機会もなく、ずっと「やってみたい!」とウズウズしていたんです(笑)。だから、『ゲキハロ第13回公演「我らジャンヌ~少女聖戦歌劇~」』(2013年9月上演。主演はBerryz工房)に出られると聞いた時は嬉しくて、稽古や本番中も「何が起きてもいいや」と思えるほど幸せでした。
ただ、子役としての経験はあったけど、初めて大人の役をを演じたのが大変でしたね。劇中曲が3拍子で、普段のテンポとは異なる曲調に他のメンバーが苦労していたけど、小さな時から染み付いていたのですんなり入り込めたのも覚えています。
――昨年は『LILIUM』が上演されたり、ラジオでも経験を活かしたコーナーがあったりと、お芝居の部分でもますます活動の幅も広がりそうですね。
田村:憧れる役者さん達はみなさん“舞台や演劇という世界の至宝”みたいな方々ばかりなので、足元にも及ばないですけど、立ち振る舞いなどを観るだけでも勉強になります。
『LILIUM』で演じたマリーゴールドは周囲に溶け込めずいじめられてしまう役柄だったけど、私の中では、『レ・ミゼラブル』の少女・エポニーヌと重なる部分があったんです。
はっきりとした理由は分からないけど、小さい時に帝国劇場で初めて観た時から大好きで、劇中の彼女と同じくらいの年齢になってきたので、今だからこそ演じてみたいという気持ちもあります。