「肌免疫」と「感覚神経」を高めるには?

肌免疫と感覚神経はどうすれば高めたり、最適化したりすることができるのでしょうか? 特に子育て中のママが注意したいポイントや実践したい内容を教えていただきました。

しっかりと良い睡眠を取る

細井「乳幼児を育てている最中に、最も問題となるのは生活リズムです。夜中に何度も起こされることは多いのでは? 睡眠が不足すると、血液中の炎症因子が増加し、皮膚バリアー機能が低下することが、18年前にコーネル大学から報告されています。

資生堂内の研究でも、2日間、夜中に2時間起きただけで、その後にバリアー機能が悪化する結果を得ています。入浴やアロマなどを利用して、良い睡眠を取るようにしましょう。

睡眠時間は最低でも一日6~7時間は取ることを、厚生労働省は勧めています。

良い睡眠かどうかは、日中に眠くならないことや、朝起きた直後に心身共に疲れがすっきり取れており、爽快に感じるかどうかが目安になります」

花粉の影響にも注意!丁寧な洗浄と保湿を

細井「資生堂では、花粉症患者において、花粉症発症期に肌からの水分蒸発量が増え、肌の水分が低下すること、さらに刺激感覚が昂進することを2001年に発表しています。

また、大気汚染物質も肌を酸化させ肌トラブルにつながります。お肌の丁寧な洗浄によって悪いものを取り除き、保湿をして、悪いものが入り込まないように角層を守りましょう。

丁寧に洗浄するといっても、ゴシゴシこすらず、しっかりと洗顔料を泡立てて、泡のクッションで優しく洗ってください。小鼻やあごの部分など特に汚れの気になる部分は、指でくるくると小さな円を描きながら洗うなどするといいですね。

すすぎもすすぎ残しのないようにしっかりと行いましょう。

スキンケアは、化粧水・乳液にプラスして美容液を取り入れるなどして、十分に保湿することが大切です」

ストレスは大敵!自分なりの解消方法を見つけよう

細井「赤ちゃんが泣き止まない、子どもが言うことを聞かない、父親が子育てを手伝わない…。ママたちはストレスがいっぱい。ストレスは免疫機能を低下させ、肌トラブルの原因となります。運動や友達とのおしゃべりなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう」

強い肌作りのために欠かせない肌免疫や感覚神経は、日頃の丁寧な洗浄や保湿などのスキンケアはもちろん、しっかりと良い睡眠を取ることやストレス解消も関係してくるのですね。

どれも基本的な生活習慣やスキンケア習慣でできること。ぜひ意識して強い肌を作りましょう!

【取材協力】細井 純一さん

株式会社資生堂 グローバルイノベーションセンター研究員
東京大学医科学研究所で学位取得後、米国NIH環境健康科学研究所において3年間、がん抑制遺 伝子の研究を、またハーバード大学のCBRCにおいて4年間、皮膚免疫の研究を行う。
その後、資生堂グローバルイノベーションセンターに入所。皮膚と心、全身との関係について研究を続けている。