【4章】そして頂上へ
結局ワタクシも二度寝して、時間は6:00。朝食を取り、いよいよ頂上に向かって出発です。
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もちろん酸素は相変わらず薄く、すぐに息が切れる。見下ろせば、飛び込みたくなるような雲海、しかし足元を見ると、高山すぎて緑も無い赤茶けた世界。そして見上げれば、まだまだ先が見えないほどの登山道。
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しかし、ここまで来たら意地もあります。
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カッコなどつける必要はない。休憩くらいいくらでも取ればいい。10メートル歩くごとに腰を下ろしたっていいじゃないか。少しづつでも、確実に前に進む、その意志が潰えない限り、いつかは山頂に到達できるはずだ。
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知らず知らずの間に口数も減り、黙々と勾配を登っていく我々。何とか九合目を通過。そして…
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富士山頂に到着ー!!!
ゴトウ「やったー!ついに、ついに制覇したぞー!」
サカイ「うむ。一息ついたら、お鉢回りに行くぞ」
ゴトウ「え?何ですかそれ」
サカイ「富士山の火口周辺を一周することを、お鉢回りと言うんだ、実は富士山の最高峰には、このお鉢回りをしないと到着できない」
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ゴトウ「そ、そんな…!今度こそ、隠しトゥルーエンドみないなもんだ!」
サカイ「違うっつってんだろ」
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しかし、ここまで来たんだから最高峰に行きたい!というわけでさらに小一時間ほども歩いて…
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今度こそ!日本最高峰!
運動不足のデブオタでも、富士山に登れた!成し遂げた感が半端ない!やったぞー!!
…さて、本来ならここで終わりたいとこなんですけど。実際にはここから、下山道をたどって帰らなくてはいけません。
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この下山道が、実は地味にしんどい。平坦な道を淡々と下っていくだけではあるんですけど、小石が多くて膝やつま先にかかる負担が大きい。酸素不足こそ無いものの、体力的には既に使い果たしているので、ひたすら辛い。
ゴトウ「下り、めっちゃきつい!天候のせいで見晴らしも悪いから楽しくないし!」
サカイ「だろ?俺はそれが分かっていたから、頂上でもはしゃいでいなかったんだ」
ゴトウ「えっ!じゃあ、頂上で大喜びしている僕を見て、どう思ってたんですか」
サカイ「阿呆が浮かれてやがると思って見てた」
ゴトウ「富士山に登って、そんな扱い!?」
唐突にピリピリしたムードになりながら、4時間かけて無事に下山。これにより、富士山終了!
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後に聞いた話だと、富士山は体力的にはしんどいものの、道も整備されているし売店やトイレも十分。人が多いのでトラブルにも対処しやすい。一気に登るなどの無理さえしなければ、比較的初心者でも登りやすい山だそうです。
確かに僕でも何とかなりましたし、登山中でも、かなりのシニア層や、親子連れのグループが苦労しつつもちゃんと登っていました。ちゃんと準備すれば、誰だって登れると思います。そしてなんだかんだ言って「富士山に登ったよ」って語れるのは、どこか少し誇らしかったりします。
ゴトウ「“プリキュアシリーズは初代から全部見てる”って自慢するみたいなもんですかね」
サカイ「うむ。ぜんぜん違うな」
【おわり】
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