【3章】山小屋で一泊
フラフラになりながら、ようやく宿に到着。チェックインもそこそに、支給された食事のカレーにむさぼり付きます
宿「で、明日の出発ですが、何時にします?頂上でご来光を拝むということであれば、2時に起きて出発するのが通常ですが」
ゴトウ「モグモグ…え?に、2時?いや、ご来光はここからでいいです」
宿「それならば、4時に起こしますね」
ゴトウ「(それでも早い…)よ、よろしくお願いします」
「富士山に登るのに、頂上でご来光を見ないの?」と思われるかもしれませんが、調べたところ、その時間帯はご来光目当ての登山家が多く、山道がめっちゃ混むらしいんすよ。さらにご来光自体、八合目から見ても大して変わらないという説もあったので、あえてズラそうという作戦に出たわけです。
さて、富士山の宿というのは、宿とは言ってもそこは山小屋。基本的に「寝るだけの場所」です。それも雑魚寝で、与えられるスペースは寝袋1つと毛布一枚。
特に説明もないまま初体験の寝袋に入り込んだんですけど、スペースが狭いせいもあってなかなか上手くいきません。こういった寝袋ってちょっと憧れがあったんですけど、普通に寝辛いもんすね。
それでもとりあえず身体が疲れきっていることもあり、横になるや否やすぐに意識が飛ぶワタクシ。20時くらいには電気も消えて、全員眠りに着く感じに。
そんな中、0時くらいにふと目が覚めました。外に出ると、遥か遠くに街の明かりが。せっかくなのでホットコーヒーをいただき、改めてほっと一息。
驚くことにこの山小屋、シーズン中は24時間稼動しているそうで。確かにこの時間であっても、ヘッドライトを着けたベテラン登山家らしき人らが山道を登っていきます。凄いな。
再度眠りにつき、時間は4時。宿の人に起こされて外を見ると、少しずつ空が白んできていました。やがて雲間からご来光が姿を現します。
まさに絶景。今までも「日の出」は何度か見たことがあります。徹夜明けのビルの合間、フェリーの上からの水平線。しかしこの「ご来光」はケタが違った。張り詰めるような冷たい空気の中、雲海を浮かび上がらせながら登っていく日の出の力強さ、神々しさ。思わずジーンと来ていたら
サカイ「寒いわー!」
ゴトウ「えっ」
サカイ「てか日の出、時間かかりすぎ!寝る寝る!」
ゴトウ「マジかこいつ」