現代の結婚事情と専業主婦のリアル
専業主婦が圧倒的に多かった時代は、1990年まで。
その後は共働き世帯が徐々に増え始め、2018年時点での共働き世帯は1219万世帯、専業主婦世帯は600万世帯です。(参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「図12 専業主婦世帯と共働き世帯」)
今の時代、「結婚したい」と願う男女共に、一昔前とは違った価値観が生まれています。「結婚しても働いてほしい」と願う男性や、「結婚しても働きたい」という女性が圧倒的に増えてきているのです。
その大きな理由の1つとして挙げられるのが、経済的な面で男性が1人で家族を養うことが難しくなってきたということ。
それと、女性の社会的地位が確立されてきたり認められてきたりしたことで、仕事に重きを置く女性が増えてきたことなどが考えられます。
結果的に“専業主婦”が減ってきているわけですが、そうは言ってもいまだ専業主婦への憧れを抱いている女性も少なくありません。
夫の収入だけで贅沢な暮らしができ、家族のために家事育児など家のことだけに集中できるのなら、専業主婦になりたいという女性がいるのもわからないでもありません。
しかし、専業主婦には思わぬ“リスク”が潜んでいるとうことも心に刻んでおいてほしいのです。
『なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか』の著者であり、夫婦問題カウンセラーの高草木陽光が解説します。
専業主婦が抱える悩み
離婚を前提に結婚する人などいるはずがありません。しかし、「離婚」という現実に遭遇する人は、いまや珍しいことではなくなってきています。
もしかして、あなたも「離婚をしたい」と思ったことがあるかもしれません。
専業主婦が抱える悩み相談で多いものを挙げてみました。
- 社会から隔離されてしまったような孤独感
- 悩みを相談できる人がいない
- 子育ての不安
- 夫が家事育児に非協力的(ワンオペ)
- 家事や育児に完璧を求められるストレス
専業主婦になりたての頃は、きっと楽しみながら毎日を過ごしていたと思われる人でも、ときが経って子どもが生まれたりすることによって不安や不満が増えてくるものです。
友達と会うとか地域の人たちと交流するなど、積極的に行動しないと、気づいたら頼りになるのは“夫”だけ……ということにもなりかねません。
しかし、肝心な夫は相変わらず仕事と称した飲み会で、帰宅は深夜。「大変なのはいつも自分だけ…」そんなネガティブな思考に囚われ、夫婦ゲンカは増えるばかり。
「離婚したい」。そう思っても、専業主婦の自分には、実際に行動に移すすべてのことが困難に思えて躊躇してしまう。
「このまま子どもが成人するまで我慢しよう」。
「仮面夫婦でもいいや」。
こんなふうに現状を正当化してごまかしながら生きていく人生......本当にそれで満足でしょうか?