『麻雀放浪記2020』の舞台あいさつに登場した斎藤工

 映画『麻雀放浪記2020』の初日舞台あいさつが5日、東京都内で行われ、出演者の斎藤工、もも、ベッキー、岡崎体育、音尾琢真、竹中直人、白石和彌監督ほかが登壇した。

 本作には麻薬取締法違反の罪で起訴されたピエール瀧被告が出演しているが、協議の結果、公開中止や延期をせずに当初の予定通り5日、ノーカットで公開された。

 イベント終了後、白石監督と斎藤が囲み取材に対応した。4日、瀧被告が保釈されたことを受け、現在の心境を聞かれた斎藤は「特に保釈されたからといって気持ちが変わるわけでない。ただこれだけ大きな波紋が広がるということも、ご自身は多分想像できていても、いざ目の当たりにして、実感されているんじゃないかな…」とコメントした。

 これまでも、インタビューなどを受ける中で「皆さん(マスコミ)からのなかなか厳しい質問にも白石監督が真摯(しんし)に受け答えする姿を見てきたので、この姿こそピエールさんに見てほしいと思っている。今は本当に猛省していただきたい」と厳しい表情で語った。

 また「僕らの職業も信頼、モラルの部分というのは互いに確かめた上で…というよりは“大丈夫だろう”という前提で仕事が進んでいきますが、もしかしたら、僕ら自身(俳優)も信用され過ぎているんじゃないか…」と語った。

 続けて「かといって検査を常にするとか。でも僕はそれでもいいと思っている。尿検査でも何だろうが。そのぐらいキャストもスタッフも信頼の上で仕事が成り立ち、放送や公開にたどり着く。そのことについて今回とても深く考えました」と複雑な思いを口にした。

 瀧被告が関わった数多くの作品への対応についても「もちろん作品ごとに審議、議論は必要だと思う」とした上で「『麻雀放浪記2020』は一つの特殊ケースかもしれませんが、この答えが、同じ映画人の希望になることを祈っています」と語った。