28日から始まるNHKの連続テレビ小説「あさが来た」。いいなずけだった京都の豪商の娘、今井あさ(波瑠)と結婚し、自らは三味線の稽古に精を出す道楽者として振る舞いながら、商才のあるあさを自由に働かせ、裏で支える夫の新次郎を演じる玉木宏。玉木がほほ笑ましい夫婦関係と、波瑠と共に盛り上げている撮影現場のエピソードを語る。
-新次郎のどんなところに魅力を感じますか。
真面目なことを話しているところでも、新次郎が現れることによって空気が一変する存在でありたいなと思っています。一見何を考えているのか分からないけれど、性格は優しい人です。
-あさの魅力は?
この時代(幕末から明治)に、男性よりも表に出ていく、好奇心旺盛で仕事に対する情熱がある女性は珍しかったと思います。その姿は新鮮でありながら、何の違和感もなく受け入れることができています。(家庭は)守れる方が守ればいいと思いますし。
-新次郎は、結婚後もどんどんあさに引かれていくのですか。
あさがいろんなことを起こすたびに、ほれ直したりあきれたり。そこが新次郎の人間らしいところです。
-時代劇と、連続テレビ小説という日常に近いドラマとのバランスはどう考えていますか。
これから1日を頑張る人達に向けて、明るい気持ちで演じようと思っています。時代劇は日本家屋や着物など、描かれる「和」の要素が日本人としてとても落ち着くものだと思っています。時代劇にすることによって、人の心情がはっきり見える。このドラマは、いろんな厳しい時代を乗り越えていきますが、結局は穏やかな気持ちにさせてくれる愛情にあふれた作品です。
-「こころ」以来の朝ドラですが、朝ドラの魅力をあらためてお聞かせください。
毎日放送されることで、全国の方が本当にその世界がそこにあるかのような感覚でドラマを見てくれます。だからこそ、どこかにリアリティーを持って演じなければと思っています。
-町人を演じて、町人言葉を話してみて気付いたことは?
例えば正座をしている時の手の置き所とか、ちょっとしたところに粋な感じというのが表われてくるので、気を付けています。新次郎はふらふらしたボンボンですが、品の良さは大事にしたいと思っています。大阪言葉には勢いがあって強いというイメージがありますけど、このドラマでは京都に近いはんなりとした優しさのある言葉になっています。
-波瑠さんは撮影現場で風船を割ったりして雰囲気を和ませているそうですね。
長丁場の現場をやっていく上で、どんな形のコミュニケーションでもいいから、何かをするということはとても大切です。意思の疎通ができているからこそ、仕上がる世界もある。波瑠さんは現場に明るさをもたらしてくれていると思います。
-白岡家の空気感は?
とてもいい雰囲気です。波瑠さんが他の撮影から戻ってきた時も「家に帰ってきたみたいな気がする」と言っていましたから。
-波瑠さんの印象は?
仕事に対する姿勢はすごく真面目だけど、そんなに気負っているようにも見えない。プレッシャーをメンタル面でカバーできる人。だからすごく芯が強い感じがします。おとなしくまとまっているというのではなく、好奇心旺盛でおてんばな部分も見え隠れしています。
-空いている時間は何をしていますか。
宮崎(あおい)さんたちがやっている刺繍に僕も何回かトライしましたが、難しいですね(笑)。
-撮影のために大阪で生活してみて感じることは?
活気があります。関東の人は相手のことを伺いつつ会話するところがありますが、関西の人はいい意味で距離感がない(笑)。自然とこちらも話してしまうし、会話をすることでたくさんの元気がもらえる街だと思います。
-序盤の見どころは?
家の都合で結婚はしたものの、本当にこの夫婦大丈夫なのかなというのも見どころの一つだと思います。あさの行動に対して新次郎がどういうアクションを起こすのかも面白い。いろんな世代からいろんな見方ができると思います。朝ドラらしいシンプルでオーソドックスなストーリーだからこそ、明るさや温かさが伝わりやすいと思います。