「子どもはたくさん食べた方いい」と食べたいだけ食べさせていませんか。
大人向けの高カロリー食や甘いおやつが、いつでもどこでも手に入る現代では、子どものメタボ化が進んでいます。
幼少期の肥満は成人してからの肥満につながりやすいという研究もあります。
「私は現在50代ですが、高校生の頃と体重が変わっていません。適正体重をキープしています。それは母が『一人分はこれくらい』という適量で食事するクセが身につけさせてくれたからだと思います」と話すのは管理栄養士の牧野直子さん。
今回は、子どもが将来ダイエットに悩み続けないための食事術のヒントをお伝えします。
牧野さんの著書『子どもがダイエットに一生悩まなくなる食事法』からご紹介します。
太りやすさは3歳までに決まる? 脂肪細胞の真実とは
“将来太るかどうかは3歳までに決まる”と聞いたことがあるかもしれません。
全身の脂肪細胞が脂肪を溜め込んで大きくなることで人は太っていきますが、その脂肪細胞が急速に増えるのが3歳までの幼児期だからです。
「かつては『一生分の脂肪細胞の数は3歳までに決まる』とされていましたが、最近の研究で、体内に存在する脂肪細胞が脂肪でいっぱいになると、大人になってからも新しく増えるということがわかってきました。
脂肪細胞は栄養過多が原因で約7倍まで肥大化します。小型のうちはおとなしい脂肪細胞ですが、大型化するにつれ、生活習慣病を引き起こす原因物質を分泌するようになります」。
さらに体型に変化が出てくる10歳頃までが第一次境界線。子どもの体型にも肥満や痩せなど体型の変化が問題にされ始める時期です。
「『10歳の壁』という言葉があるのをご存知ですか?
9歳と10歳では年齢こそ1歳しか違いませんが、その1年の成長・変化にはめざましいものがあります。
10歳は『プレ思春期』とも呼ばれ、心も身体もとても不安定な時期。
いろいろな面で一人一人に『違い』が出てきます。子どもの体型に違いが現れてくるのも、だいたい10歳頃から。身長が伸びると同時に体脂肪の変動も大きいため、肥満や痩せなど体型の変化が問題にされ始める時期なのです。
(中略)学童期肥満は約4割が、思春期肥満は約7割が、成人肥満へ移行するといわれます。10歳頃に太り気味の兆候が現れてきたら、注意が必要です」。
バランスの良い食事を適切な量で
食事では栄養バランスやカロリーの調整をしてあげる必要が出てきます。牧野さんのオススメはワンプレートミール。
「ワンプレートがオススメなのにはいくつか理由があります。
まずワンプレートは、見た目が楽しい!大人ならカフェのごはん、子どもの場合はお子様ランチなんかもそうですが、いろんな色のおかずやソースが一皿にのっているので、カラフルで食欲がわきます。
そして全体量が把握しやすく、必要量がわかりやすいというメリットも。直径24~26cm のプレートに主食 3 : 主菜1 : 副菜2(副菜2品の場合はそれぞれ1:1) の容量バランスで盛り付けて、だいたい 500 ~ 700kcalになるように考えます」。
適量の感覚が身につくワンプレート。もちろんワンプレートでなくても同じ量を個別に盛り付けるのはOKです。
一方、家族と一緒の食事では大皿から取り分けて食べることが多いですが、そうすると全体的な食材のバランスや食事量を把握することが難しくなります。