これまで暗黒の時期が長かったので、天空に舞い上がる感があるかも
――『光る曠野』のベースはお馴染みのFIREさん、そしてドラムの絵野匡史さんは、昨年の誕生日ライブからの参加となっています。
MORRIE:絵野くんは彗星のように現れたというか、FIREが「若くてすごい子がいる」と紹介してくれたんです。
よく言ってるんですけど、FIREと絵野くんは僕の雷神と風神ですね。FIREはこのバンドでは特にゴリゴリの落雷的サウンドで迫ってくるし、絵野くんのドラムは「風」が来るんですよ。
たしか村上ポンタ秀一だったかな? どこかのインタビューで「ドラムは風だよ」って言ってたのが印象に残っていて。記憶違いかもしれないけど、すごく納得がいきますね。
絵野くんのドラムは風が吹いてくるんですよ。「後ろから風圧が来る」という意味じゃないよ(笑)。彼は独特の風を吹かせてくれるんです。なんていうのかな、『カムイ伝』みたいな世界なんだよね。わかりにくいかな。
――ニュアンスは伝わります。
MORRIE:DEAD END(のサポート)をやっていた山崎慶と、お師匠さんが一緒(村石雅行氏)なんですよ。このふたり、僕的にはタイプは違うんだけど、めちゃめちゃハッピーになるリズムなんですよ。怖い感じがなくて、自然に心躍るアッパーな感じになってくる。
これまで、地中、暗黒に行っている時期が長かったんで、天空に舞い上がる感があるかもしれない。ライブを重ねるごとに、ファンからの評価もあがっていて嬉しいですね。
――『光る曠野』は、ジャケットもタイトルを想起するような情景の写真が使用されていますね。
MORRIE:今回のアルバムタイトルが決まった時点で、ジャケットは光る芒(すすき)野の中を行く男だと考えていました。撮影は11月半ば頃です。芒のシーズンは10月末なんですけど、まだ綺麗に穂が開いていて、間に合いましたね。
場所は箱根の仙石原です。去年、春くらいに箱根行っていて、そこで、この芒の原っぱを見つけて。火山もすごいし、湖もある。森もいい感じで、日本の複雑な自然の粋がこう、凝縮しているんですよ。アルバムのインナーの写真は、全部箱根ですね。旅をしていると、自然とロケハンみたいになっちゃうんですけど(笑)。