MORRIE (撮影 川崎栄治)

昨年7月にCreature Creatureは「休眠」し、12年の歴史にひとつの区切りをつけたMORRIE。近年は弾き語り形式のライブ「SOLITUDE」シリーズも精力的に行い、表現の深みへ突き進んでいる。

そして、先月には『HARD CORE REVERIE』以来、4年半ぶりとなるオリジナル・アルバム『光る曠野』をリリースした。本作はよりソリッドになったサウンド、そして氏の哲学が刻まれた作品になっている。

3月に開催された毎年恒例の生誕ライブの話から、『光る曠野』の成りたちについて訊いたロングインタビュー。

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  • MORRIE(撮影 大島康一)
  • MORRIE(撮影 大島康一)
  • 清春・MORRIE (撮影 大島康一)
  • FIRE(撮影 大島康一)
  • 黒木真司(撮影 大島康一)

「記憶」って本当に面白いよね。一体、「何処」にあるんでしょう

――東京・キネマ倶楽部で開催された毎年3月4日恒例の誕生日ライブでは、4月17日に一般流通されるアルバム『光る曠野』中心のセットリストでしたね。これまでソロライブというと、キーボードやサックス、ヴァイオリンを入れた編成でしたが、今年はシンプルなバンドセットというか。

MORRIE:2012年から毎年やってきたけれど、おととしの2017年3月4日はCreature Creatureでしたし、昨年2018年から今度のアルバムを射程に入れた編成になっていたんです。その時にアルバムからも7曲くらいやっていて。

僕からすると初心に帰るような、ギター主体のハードロックという構想はあって、シンプルでソリッドな形にまとめたというか。あのステージで青木裕は最後になってしまったのだけど。

MORRIE・3月4日キネマ倶楽部公演(撮影 大島康一)

――昨年、お話を伺った時には、ギターを探しているとおっしゃっていました。黒木真司(Z.O.A)さんに決まった経緯を聞かせてください。

MORRIE:黒木くんは、80年代、Z.O.Aの頃から好きで注目しているギタリストです。昔から「どうしているのかな?」と気になって、時折、彼の動向を追っていたんです。ギターを止めて琵琶をやっているのを知って、「変わった人だな」と思っていました。

その後、3年前くらいに僕も琵琶に興味を持ったことがあって、「黒木くんは琵琶に詳しいだろう」と、僕の方から連絡したんです。それがきっかけといえばきっかけかな。

――MORRIEさんが何故琵琶に興味を持ったのかも気になりますが、そこからどのようにして、ギタリストとしてソロのバンドに迎え入れることになったのでしょうか。

MORRIE:今、森川(誠一郎)くんと、BorisのAtsuoくんとTakeshiくんと、A/Nというユニットをやっていますよね。おそらくはAtsuoくんが担ぎ出したんでしょうね(笑)。彼が本格的にギターをまた弾き始めていると。僕はそれを聞きつけて「もう黒木真司しかいない」と思って、オファーしました。

MORRIE(撮影 大島康一)

――ちなみに、Z.O.Aとは以前から交流あったんですか?

MORRIE:昔から一方的に好きで聴いていたけれど、88年くらいかな? インクスティック芝浦でのライブを観に行った時に、少し話す機会があって。森川くんも黒木くんも「DEAD END好きです」なんて言ってくれて、「そうなんや〜」くらいの関係性でしたね。

――昭和の終わり頃の話が、こうやってまた年号が変わるくらいの時間を経て……。

MORRIE:ははは。そうですね。 30年っていうのも、長いのか短いのかわからないね。あっという間っていう気もするし、つぶさに思い返したら長いなとも思うし。そもそも「記憶」って本当に面白いよね。一体、「何処」にあるんでしょうね。

黒木真司(撮影 大島康一)

――……それは難しいですね。

MORRIE:そういう話が面白いんですよね。