保育園送迎でよくあるシチュエーション、こんなときどうすれば良い?
続いて、保育園送迎でよくあるシチュエーションにおいて、コミュニケーションを重視したアドバイスを上野さんに伺いました。
1.遅刻しそうなとき
上野「まずは連絡を入れて、遅れる理由とおよその到着時間を知らせましょう。園側は『何かあったのでは?』と心配していることもあるので、連絡は忘れずに。
朝は給食の人数確認をしているので、登園することがわかっていれば助かると思います。
お迎え時も、遅番や延長番という当番の時間にかかってしまう場合は、特に早目に連絡を入れることを心がけましょう。そうすれば、園の先生たちの間でも、うまく引継ぎができるでしょう」
2.遅刻してしまったとき
上野「遅れてしまったときは『すみませんでした』『ありがとうございました』と、きちんと言葉で伝えましょう。連絡を入れずに遅れてしまったときは、連絡ができなかった理由も伝えたほうがいいかもしれません。
時間になってもお迎えに来ない場合、園のほうから保護者に連絡を入れることもあります。保育園に子どもを預ける場合は、何かあったときのためにも、連絡は取れるようにしておくことが大事ですね。
仕事の都合で時間に遅れる、ということはあるかもしれませんが、お迎えを待っている子どものために、なるべく時間を守るように心がけましょう」
3.不満があったらどう伝えるのがいい?
上野「『保育園の自転車置き場が狭い』『幅広い年代の子を合同で保育することが多く、担任の先生ではない当番の先生に見てもらう時間に、友だちとのトラブルが多い』など、『どうにかならないの?』という園に対する不満は、色々感じることはあると思います。
そんなときは、不満をそのまま伝えるのではなく、どうなったらいいのか、どうして欲しいのか、という『思い』や『リクエスト』にして伝えてみましょう。
例えば、『自転車置き場がもっと広くスペースがあれば嬉しいです』『当番さんの時間に、お友だちともっと仲良くやれる方法はありますか?なんだか、ケンカが多いみたいで…』など。
思いやリクエストは園側にも伝わりやすいと思いますよ」
パパ向けの送迎時コミュニケーションのポイント
最近は、夫婦共働きが増えているため、パパに保育園送迎を頼むこともあるのでは?
パパ向けにも送迎時のコミュニケーションのポイントを教えていただきました。
上野「さまざまな年代のお父さんが保育園の送迎をするようになってきたこの頃、園によっては『おやじの会』のようなものもあるようです。
また、積極的に子どもに関わるお父さんは素敵だなぁ~と思うのですが、送迎時に、我が子以外の子どもたちと体を張って遊ぶ、積極的すぎるお父さんが時々います。
いいと思うのですが、送迎時間は我が子との時間、ということで、張り切りすぎないほうが良いかなとは思います。
反対に、保育園は女性の先生が多いので恥ずかしいのか、目を合わせず下を向いたまま廊下を歩くお父さん、挨拶をしないお父さんもいます。これは見ていて、残念に思います。
『子どもは親の鏡』なので、笑顔で挨拶をするお父さんを見て育った子どもは、自分から挨拶のできる子になると思いますよ」
保育園送迎時のコミュニケーションは、より意識すれば、保育園や先生、他の保護者とも円滑なコミュニケーションができるほか、楽しく保育園の利用もできそうです。
ぜひヒントにして、日々の送迎時コミュニケーション、意識してみてはいかがでしょうか。
【取材協力】上野 里江さん
保育・子育てアドバイザー
保育士歴30年。保育園・幼稚園・子ども園で3000人以上の親子と関わり、その後3年間療育に携わる。子どもに関わる大人を元気に笑顔に!子育てにもっと笑いを!をモットーにコラム執筆、商品監修、講座、相談を行っている。