『ザ・フライ』 セス「新しい生物になるんだ」

かっこいい余裕発言系から一転、こちらは狂気を感じるタイプの「言ってる場合か」。

天才科学者のセス・ブランドルは、実験中うっかりハエのDNAと融合してしまう…。次第にハエに侵食されていく様が怖いトラウマホラーです。

彼を心配して会いに来た恋人のヴェロニカに対し、セスは壁を這うところを披露したり、自分の記録映像を撮らせたり……あれ? 意外と前向きだし楽しそうなんですけど…?

爪も歯も抜けるわ、溶解液を吐くわで確実に人間でなくなってきてるのに「ぼくはブランドルバエという新しい生物になる」って強がりにしてもポジティブすぎませんか?

新生物への好奇心が先走っちゃうあたり、さすが科学者というべきか。でも人として、もうちょっと絶望しような。

『LIMIT OF LOVE 海猿』 仙崎「結婚しような…カンナ」

最後は、全米が認めた「言ってる場合か」でおなじみ(?)『海猿』です。

海上保安官の仙崎は、沈没しつつある大型フェリーの中、妊婦と怪我人の救助にあたる。火災や浸水で退路をほぼ断たれた絶体絶命の状況、外部にやっとつながった電話で恋人のカンナにプロポーズする仙崎…。

これが最期かもしれないし気持ちはわかる。でも長い…プロポーズ長いよ!「結婚しよう」で終わるかと思いきや「むちゃくちゃしあわせな家庭作るんだ…子どもいっぱい作ってさ…」って、まさかの家族計画まで話し始めます。

しかもこの電話、海上保安庁のスピーカーに接続されて、現場の全隊員も聞いてるのに誰も止めないんですよ。感動の時間が流れる中、確実に沈みゆくフェリー…。優しい仲間に恵まれてよかったね仙崎。でもみんな、人命が第一だよ。

今作のアメリカ上映で、このシーンのあまりの悠長なやりとりに笑いが起きたそうです。「言ってる場合か」は世界共通なんだなあ。

まとめ

いかがでしたでしょうか? かっこいいものから狂気、感動系までいろんな「言ってる場合か」がありましたね。

ここまで突っ込んどいて何だけど、切羽詰まった中で冷静にうまいこと言える人は、やっぱり憧れますね。でも『ラッシュアワー』や『海猿』のように、ガチで人命がかかってる時は、普通に怒られるのでマネしないでください。映画の世界は寛容ですね。

みなさんもぜひかっこいい「言ってる場合か」映画を探してみてください。

イラストやマンガをかいてます。最近、肉より魚がおいしい。
映画は好きだけど詳しくないので、誰かおもしろい映画を紹介してください。