ヒットチャートにアニメの主題歌や声優さんが歌う楽曲がズラリと並び、ロックフェスもかくやという規模と集客数を持つ大型アニソンイベントが開催される昨今。
アニメソングや声優ソングは、"ポップ・ミュージック"としてのステータスを得て、その人気は年々高まりを見せています。
とはいえ、ここまでの熱狂を生み出すに至った背景には、過去に活躍したアーティストによる偉大な業績があるハズ。「十年一昔」なんて言葉がありますが、90年代から2000年代の初頭のアニソンシーンを振り返ってみれば、成る程、現在のアニソンにも繋がる優れた名曲や革新的なサウンドコンセプトが有した楽曲が数多く存在していることに気付かされます。
そこで、温故知新。今回は10代のアニソンファン、声優ファンに向けて、是非とも聴いて欲しいアーティストを紹介してみたいと思います!
90年代を代表する"声優アーティスト"、林原めぐみさん!
90年代のアニソン、声優ソング……ひいては、"アニメ"という文化そのものを振り返る上で、この御方のことを無視して語ることは決してできないでしょう。そう、林原めぐみさんです!
もはや、説明不要かもしれませんが、林原さんは90年代の声優ブームを象徴する人気声優さんであり、まさしく"リビング・レジェンド"の呼び名が相応しいお方。
『らんま1/2』『BLUE SEED』『スレイヤーズ』『セイバーマリオネット』『アキハバラ電脳組』『3×3 EYES』に『万能文化猫娘』、そして『新世紀エヴァンゲリオン』……主演作は数知れず、多くの大ヒット作が世に送り出されました。
林原さん主演のアニメ作品を観たことがないアラサー、アラフォーのアニメファンなんていません!
また、アニメ声優としての活躍は勿論のこと、ラジオパーソナリティーとしての活動や、作家としてエッセイ集を発売するなど、そのマルチな表現力もファンにとっては大きな魅力でした。この辺りは、現在の声優さんのメディアをまたいだ幅広い活動にも繋がりますよね。
そんな林原さんですが、歌手としても素晴らしい実績を数多く残されています。
リリースするシングルCDは、高いセールス数を誇り、幾度となくオリコンランキングに登場。更に、キングレコードと契約を行い、"歌手"としてレコード会社に所属するなど、いわば"声優アーティスト"の雛形を作った方なのです。
現在では、アニソンや声ソンがヒットチャートにランキングされることも日常的な風景となった感がありますが、林原さんはその先駆け的な存在と言えるでしょう。
惜しむらくは、当時は現在のような大規模なフェス形式のアニソンライヴイベントが存在していなかったこと。もしも、Animelo Summer Liveがあと10年早く始まっていたら、林原さんは絶対にトリを務めていたに違いありません!
今年、キングレコード主催のアニソンフェス、KING SUPER LIVE 2015で、フェス出演を果たした林原さんですが、その歌う姿を生で観たいと願うファンは多いはず。当時の林原さんは、歌謡番組の出演や音楽ライヴをほとんど行っていませんでしたから、そうした思いも尚更かと思います。
『Give a reason』『don't be discouraged』『Just be conscious』といった大ヒット曲や、ラジオの主題歌だった『Tokyo Boogie Night』などなど、今聴いても全く色褪せない、素晴らしい名曲が沢山ありますので、ここは、年若いファンに林原さんの"歌手"としての魅力に触れていただき、大型アニソンフェス登場への機運を高めていただきたい……なんて、身勝手ながら私は強く思うのです。