ご好評いただいている「デフレ時代の大人のマナー講座」、今回の舞台は「いらっしゃいませ、デニーズへようこそ!」があまりにも有名なデニーズさんです。しかも、”青デ二“の愛称で知られる南青山店。芸能人がよく訪れるお店です。
講師はなんと、天下のギャルソン岡部一己さん! フランス料理の名店「オーグードゥジュール」グループを率いながら、今も毎日店に立つサービス界の貴公子が、レストランでの大人の立ち振る舞いを初歩から教えてくれるという贅沢さ。必読です。
――岡部さん、今回は二つ返事でお受けいただき、恐縮です。
「いや、実はデニーズ大好きなんですよ!」
――え!
「野菜がおいしいし、商品開発力が一番あるから勉強になるんです。今の僕の立場だと同業者の店に行くより、よほど発見がありますし勉強になりますよ。それに知ってます? デニーズはセントラルキッチンではなく、各お店それぞれで料理を作っているんです」
――本当ですか。びっくりです。ファミレスってどのチェーンもセントラルキッチンで作られたものが配送されて、温めているだけだと思ってました。
「朝食もデニーズが一番。知り合いの人の話ですが、別荘にいるときの朝はいつもデニーズと言っていました。雰囲気がレストランなんですよ。多くの店舗でドリンクバーが無いところも、サービスを大事にしている感があって気に入ってます」
――そういえば確かに。ではどんどん食べてくださいね。
■レストランで前を歩くのは誰?
――あっ、その前にお聞きしたいことが。例えばデートでレストランに入るとき、前を歩くのは男性ですか?
「お店に入るまでは男性です。そしてドアを開けるのは店の人か男性。でもそこから席に着くまでは、スタッフ・女性・男性の順になります。奥のいい席に最初に座るのは女性ですから、男性が先に歩くと、テーブルで順序が逆転して流れが滞るんです」
――なるほど。レディ・ファーストの精神ですね。
「でも九州だと、ほとんど男性が奥に座るんですよ。」
――さすが九州男児。
「ところがこれ、女性が男性を立ててるんです。」
――うーん、地域差って面白い。でもレストランって舞台だし、主役は女性だから、女の人は々と遠慮せずに輝いて欲しいですね。
「そう。それを盛り立てるのが僕らサービススタッフ“ギャルソン”なんですよ」
―― 一緒に舞台を作って盛り上げていくわけですね。