自分で自分のおこづかいを考えさせる意味は大きい!
このおこづかい交渉のポイントを解説してみますと「お金の現実」を3つほど自覚的に考えさせるきっかけになると思います。
1)「必要な」ものに「いくら」かかるか「予算」を考えさせる
……最大の効能は、1カ月のおこづかいを何に使うか予算を考えさせることです。なぜその金額なのかを子どもなりに考えさせることです。数百円から数千円であっても、自分なりにどのくらいお金を使うか考えさせ、予算のイメージを持たせます。
社会人になってからも必ず必要となるお金の基礎教養のひとつです。
2)「欲しい」が何でも買えるわけではないことを学ぶ
……欲しい金額が無制限にもらえるわけではなく、一定の上限が課せられ、その範囲でやりくりをするのだ、ということを覚えるのもおこづかいのポイントです。社会人になっても手取り給与の範囲でやりくりするわけですが、自分なりに欲しいものを取捨選択していくことを覚えさせます。
3)「平均」を考えさせる
……これは副次的効果ですが、自分のおこづかいがクラスメイトと比べて多いのか少ないのか、自覚させることも必要だと思います。
おこづかいは家庭の所得状況や家庭内子育てルールによって金額が異なるのは当たり前です。家計が厳しい家庭ではおこづかいが少ないことも受け入れるよう諭してみたり、恵まれている環境であった場合はそのことを自覚し感謝する心を育てたいものです。
臨時のお金の渡し方もルールを決めたい
なお、おこづかい以外に臨時で渡してしまうお金がある場合、せがまれるままに無制限に渡してはいけません。その範囲や金額は親がコントロールしておくことが大切です。
一般的に被服費や塾への交通費はおこづかいと別枠だと思います。
しかし、塾の帰りの軽食費、勉強をしているからスタバのお茶代を別に払う、等の範囲を無制限に設定するのは問題です。ウソをついていないか調べるのもイヤなものです。
おこづかい以外に場当たり的臨時おこづかいはできるだけ渡さないか、ルールをはっきりさせておくことが必要です。たとえば「塾一日あたり軽食費用は400円」のように明確にしておくのです。
また、ご褒美的おこづかいは乱用しないほうがいいでしょう。
テストでいい点を一度取ったからなんとなく1000円あげても、渡すときもあれば渡さないときもあるのはNGです。
親がボーナスが入ったから臨時おこづかいというのも、親の一時的気分で渡しているわけで金銭教育の観点からはオススメできません。
こういう場合は一緒においしい食事に外出するなど、おこづかいと違う形で出費し、子どもとお金を使う喜びを共有してみることをオススメします。
おこづかいは、子どもにお金の使い方を覚えさせる大事なステップですが、親がその渡し方をしっかり考えていく必要があります。そうしなければおこづかいを通じた金銭教育になりません。
ぜひ「正月のおこづかい交渉」を2016年の元旦にやってみてはどうでしょうか。