ストレイト・ストーリー 芝刈り機
芝刈り機に乗って、遠方の兄へ会いに行くおじいちゃんをひたすら見守るロードムービー。
8割方くらい、芝刈り機でゆっくり移動するおじいちゃんの映像で構成され、機械のカタカタ音が心地いい眠りを誘います。私は初見、安らかに寝落ちしました。
ただ、癒しだけで終わらないのがこの映画の深み! 道中で出会う人々と語らうシーンは、じじいの含蓄ある言葉が沁みます。
ある女性が轢いたシカを焼いて食べたり、使えない芝刈り機を撃って爆破するなど、過激な一面もおじいちゃんの魅力です。
ストーリーはシンプルで、大げさな演出もないので気負わず観れる映画。ちょっと疲れたときに、ゆっくり動くおじいちゃんを観ながらの寝落ち…最高に気持ちいいですよ。
ファイティング・ダディ 怒りの除雪車 除雪車
映画界で子どものために闘うお父さんといえば、「96時間」シリーズのブライアンなどが有名ですが、ノルウェーにもいましたよ、キレる親父が…!
除雪車で悪者をひき殺してそうなタイトルですが、主人公・ニックの基本スタイルは銃と拳。素人とは思えないくらい、殴る拳にためらいがないのです。初老なのに強い。
マイペースに息子の復讐を遂げていくうちにギャングの抗争に巻き込まれ、とにかく人が死にまくります。
肝心の除雪車ですが、これはニックの仕事道具で、期待するほど殺しに使うことはありません(なくはないけど)。ただ、人が殺されまくる展開の中、淡々と走る除雪車がシュール。
連続で滝壺に死体を投げ込むテンドン、雪ではしゃぐギャング、人が死ぬ度に差し込まれる謎の追悼(?)画像…映画の雰囲気はいたって真面目なんだけど、独特なテンションの波がじわじわきます。
どういう姿勢で鑑賞していいのかわからない、今年一番不思議な気持ちになった映画です。いい意味で。
いかがでしたか? 夢のために乗るタイプから、どうしてそれに乗ったというタイプまで…いろんなおじいちゃんを集められたかと思います。
クリスマスは素直にサンタ映画もいいですが、変な乗り物に乗るおじいちゃんを観て変な気持ちになってみるのもおススメです!
次回は年明け。また来年もよろしくお願いします。よいお年を~。