どうも、ただのアイドル好きです。
ここ最近は学園祭シーズンということで、アイドルを目当てに様々な大学の中へ勝手に入っていって学園祭のステージを見ているのですが、その中で一本筋の通ったとてもえらい学園祭がありました。
それが東京海洋大学の品川キャンパスで開催された海鷹祭です。
どこがそんなにえらいのかというと、海洋大学の学園祭だけあってマグロの解体ショーが行われたり水族館や釣り堀があったりするのですが、それだけでなく野外で行われたメインステージの出演者まで、
釣りをテーマにしたアイドル“つりビット”、
水産業を応援するアイドルユニット“青春!トロピカル丸”、
そして“さかなクン”と、ちゃんと海洋縛りだったところです。
今時、そんなに己の大学のコンセプトに忠実な学園祭があるとは。
とにかくここまで徹底されている学園祭は見たことがないし、とくに1日目のさかなクンとつりビットの対バンは今後の芸能界における領海を巡る問題に発展するかもしれないので絶対に見逃せないと思い、平日の昼間から品川まで行ってきました。
校内に入って30秒で学生さんから「焼き魚いりませんか?」と声を掛けられるという貴重な体験しましたが、そんな水産物ばかりの模擬店が並ぶ通りを抜けてメインステージへと向かいます。
メインステージのすぐ向かいでは東京海洋大学の海鷹祭名物になっているマグロの漬け丼の販売が行われており、長蛇の列が出来ていてものすごい勢いで売れていたので自分も並ぼうと思ったのですが、そうこうしているうちにさかなクンのステージが始まってしまいました。
はたして、さかなクンのステージとはどのようなものなのでしょうか?
さかなクンのステージとは?
満員の客席の前にさかなクンが登場。
白衣姿で登場したさかなクンは、お喋りをしながらホワイトボードに貼られた模造紙に魚の絵を描いていき、そこからクイズを出題してお客さんに答えてもらう“おさかなお絵かきクイズ”というスタイルの出し物を披露しました。
1問目は「この3匹のお魚のうち海鷹祭の“鷹”という言葉が入っている魚はどれでしょう?」という問題。
ここで手を挙げて指名された客席の男の子が元気良く「2番!」と答えたのですが、さかなクンが「勇気を持って答えを変えるというのも大事だよ〜♪」と言って男の子を諭します。
何も言っていないのにライフラインの50:50が発動した形です。
なぜか自動的に答えが1番か3番に絞られる中、男の子は3番(タカノハダイ)を選んで見事に正解しました。
正解するとさかなクンが描いた絵に正解者の名前を入れてプレゼントしてくれます。これはもらえたらマジでうれしいですね。
ちなみに「1番のお魚は体長が15cmくらい」というヒントが出て、その際、さかなクンは15cmのことを「じゅうギョせんち」と発音していたのですが、さかなクンが「ご」のことを「ギョ」と言ってしまうのは周知の事実なので、もう今さらそのことに関しての反応はなく、みなさん当たり前のこととして受け入れていました。
絵を描くとどうしても客席に背中を向けることが多くになってしまうのですが、さかなクンは白衣の背中に魚の絵を描くことによって視覚的に飽きない工夫を凝らしていました。
ただ魚のチョイスがちょっと怖いので、もしかしたら小さい子どもは脅えていたかもしれません。
こうしておさかなお絵描きクイズは進んでいき、イベントは終盤へと差し掛かっていったのですが、ここにきてようやく、さかなクンのトレードマークであるハコフグの帽子をかぶり、客席で最初からずっと手を挙げていたさかなクンの熱狂的なファンと思われる子に解答権が渡りました。
イベント中盤から客席全体が「お願いだからあの子を当ててあげて!」という空気になっていたので、本当に会場全体がホッとした瞬間でした。
ここは善人しかいない空間です。
見事クイズにも正解したその子は、さかなクンから名前を聞かれ「おさかなチャンです」と名乗る徹底ぶり。
このことに気をよくしたさかなクンは「将来の夢は何かな? もしかしてさかなクンの跡を継いでくれるかな?」と期待して尋ねたのですが、それに対しておさかなチャンははっきりと一言、「運転士」と言い放ったのでした。
さかなクンの後継者問題が暗礁に乗り上げた瞬間でした。
失意のさかなクン
その後、失意のさかなクンは「泳ぎにくいマグローっ!!」と叫びながら模造紙をマグロの絵で埋め尽くしたり、
「さかなクンは“ご”のことを“ギョ”と言ってしまうクセがあるんだよ!」
と、ここに来て今さら言葉の法則性を改めて自分で説明したりと、先ほどのことでかなりペースを乱されたようでした。
と、ここでいきなり何の前触れもなく東京海洋大学の学長さんがステージに登場、さかなクンと握手を交わすという一幕がありました。
なんでもさかなクンが本当に心から尊敬している先生らしく「横からステージを見させてもらいましたよ」と言われてとても感激していました。
深々とおじぎをするさかなクン。
ここまでさかなクンのハコフグ帽子の上面をじっくりと見られる機会が、今まであったでしょうか。
これでいつものペースを取り戻したさかなクンは、おさかなお絵かきクイズを終え、残り時間で客席から募った質問に答えていくことに。
年配のご婦人から「さかなクンはどうしてさかなクンになったのか?」という質問に、
「元々は絵描きになりたくてトラックの絵を大量に描いていたけど、小学生の頃に友だちが描いたタコの絵があまりに上手かったので、そこから魚介類に興味を持つようになっていった」
と、さかなクンのルーツが語られていきました。
とても貴重なさかなクンが描いたトラックの絵です。
というか、魚介類の前にまず車に興味を持つという点が一致しているので、おさかなチャンはやっぱりさかなクンの後継者としてふさわしいのでは?
ちなみにこの絵も質問したご婦人にプレゼントされたのですが、先ほどまで子どもたちには「お名前は?」と聞いて絵に名前を入れていたのが、ご婦人に対しては「お宛名はいかがいたしましょう?」と丁寧に尋ねていたのが印象的でした。
以上がさかなクンによるステージだったのですが、このさかなクンの形式、何かに似ていることに気づきませんか?
白衣を着て、黒板やホワイトボードに何かを書きながら、お客さんと掛け合いをしつつ講義を進めていくというスタイル…。
そうです、ケーシー高峰先生です。
さかなクンのおさかな絵かきクイズのルーツは、ケーシー高峰の医学漫談だったのです。
というわけで、ケーシー高峰の医学漫談のテーマを魚に変えて下ネタを徹底的に排除するとさかなクンになるということがわかりました。