“感想を聞く”のはダメ!
読み聞かせが終わった途端、「どうだった、面白かった?」「一番、悪いのは誰?」と感想を聞くのは止めましょう。
絵本を読んでもらったあと子どもの心は感動で満ち満ちています。そっとしておいてやりましょう。
また、「面白かったでしょ」の誘導尋問も止めましょう。親の目から出てくるビーム(=光線)で親が期待する答えをするしかなくなってしまいます。
もし、期待していた答えと違い正直に「つまらなかった」と言ったときは顔を曇らさないようにしてください。「つまらない」というのも立派な感想です。率直な意見を言う姿勢は大事です。
また、自由な発想の芽を潰さないためにはここであれこれ親の意見を押し付けないことです。
“読みながらテスト”しない!
食べ物や動物が出てくる絵本があります。親子のコミュニケーションの一つとして「これパンダだね。動物園にいたね」と楽しい時間を共有することは素晴らしいことです。
けれども、子どもは読み聞かせしてほしいのに絵や文字が出てくるたびに「この動物はなあに?」「この字はなんて読むの?」とテストされるとどうでしょう。
「ママが絵本を持ってくるとわかっているかどうか試される」と思い次第に絵本が嫌いになってしまいます。
但し、親が読み聞かせしている最中、子どもから「これなあに?」と質問された場合は「おとなしく聞いていなさい」と叱るのではなく答えてやりましょう。
けれども聞かれてもいないのに親側から「これは何だった?」と絵や文字を指して質問することは止めましょう。
“教訓を付け加える”のはダメ!
「嘘をつく子ども(狼少年)」を読み聞かせて…
「この男の子のように普段から嘘をついていると、肝心なときに誰からも信用されなくなるのよ!」
「北風と太陽」を読み聞かせて…
「人に言うことを聞いてほしいときは、こちら側から温かく接しなくてはならないのよ!」
「狼と七ひきの子ヤギ」を読み聞かせて…
「知恵を働かすことは大事なのよ!時計に隠れた末っ子の山羊は偉いね。それから悪いことをするとこの狼のように最後は退治されちゃうのよ!」
「泣いた赤鬼」を読み聞かせて…
「お友達には赤鬼のように優しくしないとダメなのよ!」
「猿蟹合戦」を読み聞かせて…
「猿のように他人のもの欲しがってはダメよ!欲張りはいけないことなのよ!」
などと一言多い人がいます。
これらは名作です。名作だからこそ、その都度、親の言葉で解説を付け加えなくても文章だけで十分伝わりますから、そこに書いてある文をただ読むだけに留めましょう。
けれども昔話でも“厳選50話”のように、一枚が見開きだけで終わらせているもの、ダイジェスト版、あらすじだけのものは文章が短すぎるため伝わる教訓も伝わりません。
昔話はある程度、文章量のあるものを選びましょう。