舞台「ライ王のテラス」の公開舞台稽古が3日、東京都内で行われ、出演者の鈴木亮平、演出の宮本亜門氏が取材に出席した。実在したカンボジア最強の王、ジャヤ・ヴァルマン7世がアンコール・トムを造営してゆく雄大な愛とロマンを描いた三島由紀夫最後の戯曲を宮本氏がついに舞台化。
主演の鈴木は、初日を明日に控え「やれるだけのことはやった。あとは本番にしか出ない“マジック”を信じて、さらにいいものが出来れば。もう王様の気分です」と準備は万端の様子。
宮本氏も「鈴木さんは、毎日稽古場にも誰よりも早く来て、せりふもワーッて覚えて…、まさにやれるだけのことはやったと思う」とその努力を認め、「三島さんに見せたいと思うような新たな舞台が出来た」と自信を見せた。
一方、苦労した点として「長ぜりふが9個あります」と明かした鈴木。これに「数えちゃダメだよ。プレッシャーになるから」と慌てた宮本氏は「真面目だから長ぜりふが来る前に緊張した顔になる。本当にやめようよ」と苦笑い。しかし、鈴木は「今はすごく穏やかな顔をしてらっしゃるけど、今の今まで鬼の形相でしたから…」と演出中の宮本氏の厳しさに触れ、笑いを誘った。
また「完璧な肉体を持った王様の役。最低限そこはクリアーしたかった」と体づくりのため、ジムに3~4カ月通った鈴木だったが「まさかこの格好で記者会見するとはびっくりです」と照れ笑い。宮本氏から「気持ちを入れるため、稽古場でも途中から1人で脱いでいた」と暴露されるが「(本番前に)急に脱ぐと周りの人が緊張するから。稽古から(裸に)慣れてもらうためです」とその意図を説明した。
追加公演も決定するなど注目度も高い舞台だが、「いつかは世界に?」と聞かれた宮本氏は「行くでしょう!」と期待。鈴木も「行きましょう。まずは日本で成功させなければ」と言葉に力を込めた。
舞台は3月4日~17日、都内の赤坂ACTシアターで上演。