『母と暮せば』で最優秀助演女優賞を受賞した黒木華

 「第39回 日本アカデミー賞」授賞式が4日、東京都内で行われ、『母と暮せば』に出演した二宮和也が最優秀主演男優賞、黒木華が最優秀助演女優賞、吉永小百合が優秀主演女優賞をそれぞれ受賞した。

 司会の西田敏行は黒木について「とても柔らかく優しくて、木綿の肌触りのような感じがする。日本の風土が生み出した女優さんだなと思う。大好きです」と絶賛した。

 昨年も『小さいおうち』で同賞を受賞した黒木は「同じ賞で2回もこの場に立てるとは思っていなかった。これからも地道に精進していきたいと思います」と喜びを語った。

 撮影中のエピソードとして黒木が「(二宮は)けん玉がすごくお上手で、一つ技を決めるたびにできたよという顔をしてくれるところが(ほほ笑ましくて)。初めてだったので緊張していたけど打ち解けることができました」と振り返ると、二宮は「現場の隅っこで(山田洋次)監督に隠れてやっていたので、まさかここでばらされるとは」と苦笑した。

 一方、寝返りを打った際にベッドから転落し、頸椎(けいつい)を亜脱臼した西田はいすに座ったままで司会を務めていたが、優秀主演女優賞を受賞した吉永は左手をギプスで固定した着物姿で登場し「西やんが痛んでらっしゃるので私も一緒に痛みを分かち合いたいと思って。滑って転んで手首を骨折したんです」と明かした。

 吉永は、今回は息子役の二宮の幼少時代の写真を5枚借りて役づくりに励んだといい、「撮影中も時々ひゅっと現れてにこっと笑って、男性だけどフェアリーのように感じました」と語り、ほほ笑んだ。

 最優秀主演男優賞で二宮の名前が呼ばれた際、『母と暮せば』チームが集まったテーブルでは「小百合さんには手の痛みが飛んじゃうぐらい喜んでいただきまして、黙って座っていた山田監督も名前を呼ばれた時はすぐに立ち上がって喜んでくれました」と明かした二宮は「この後キャストのみんなで飲みに行くので祝ってもらおうかな。(賞を)頂いたことが奇跡にならないよう、これからも一つ一つ頑張っていきたい」とさらなる飛躍を誓った。