まず1つは、夫婦だけで仲よくスマホゲームや携帯ゲームを遊んでいる層がいるという推測。「夫婦で同じゲームをやってます」という声は筆者のまわりでもそれなりに聞かれる。
もう1つ、夫婦だけでなく子どもも交えてゲームを楽しんでいるのではないか、という推測もできる。メディアクリエイトの『2014ゲームユーザー白書』には、それを示唆する興味深いデータがある。
年代別にどのゲーム機で最も遊んでいるかを調べた結果、男性は小さいうちは任天堂フォーマット(Wiiや3DS)を好み、ある程度成長した15歳からはPSフォーマット(PS3やVita)に移行、そして30代~40代になると再び任天堂フォーマットの割合が増える。
これについて同白書では「子どもや家族と遊ぶ機会が増えるためだと考えられる」と記載している。子どもがゲームに興味を示しはじめる年代になれば、パパ世代も親子で楽しめるタイトルが多い任天堂系のゲーム機に戻って来るのではないか、というわけだ。
改めて考えてみると、日本のコンピューターゲームは長い歴史を誇り、国民的どころか全世界的に人気の長寿コンテンツも驚くほど多い。ざっと挙げれば昨年は『スーパーマリオ』30周年が盛大に祝われ、今年は『ドラゴンクエスト』『ゼルダの伝説』が30周年を迎える。さらに『ポケットモンスター』『バイオハザード』がそれぞれ今年で20周年と、アニバーサリーが目白押しだ。
つい先日、大阪のテーマパークUSJが、任天堂の『マリオ』を起用した新アトラクションに大型投資を行なうというニュースが流れるなど、ファミリー客を意識したゲーム資産の有効利用も活発化してきている。
かつて『マリオ』に熱中したパパママ世代が、子どもと一緒に最新の『マリオ』を楽しむ。反射神経では若者にかなわないけれど、「パパがやってた頃のマリオはなぁ…」と昔話ができる――もはやゲームは子どもの勉強を邪魔する存在ではなく、“親子共通のコミュニケーションツール”へと変容しつつあるのかもしれない。