撮影:tama

いま日本でもっともその姿を見られている俳優のひとり――そう伝えると本人は謙遜していたが、ここ数年のテレビやスクリーンでの出演数を見れば、俳優・田中圭が各方面からどれだけ求められている存在か、一目瞭然だろう。

先日終了した連続ドラマ『家族ノカタチ』に出演した際も、ある週の次回予告で、次回より彼が作品に登場することが判明した瞬間、「田中圭きた!」とSNSが爆発的に盛り上がった。制作側だけでなく視聴者もまた、俳優・田中圭に大きな信頼を寄せているのだ。彼を取り巻くその状況は、日に日に増している感がある。

そんな田中圭の約4年ぶりとなる写真集『R』(ぴあ刊)は、“誰もが知っているはずの田中圭の、誰も知らなかった顔”を知ることができる一冊だ。また巻末のインタビューでは、現在の自分に対して「迷い」という言葉を漏らしている。

誰からも求められる男・田中圭は、いま、なにを思う?

フォトギャラリー【写真ギャラリー】田中圭・31歳の素顔【全18枚】
  • 撮影:tama
  • 撮影:tama
  • 撮影:tama
  • © 前康輔/ぴあ
  • © 前康輔/ぴあ

“俳優・田中圭の素”が出た写真になった

――写真集『R』は、いわゆるオフショット的な作品ではなく、でも俳優として誰かを演じているわけでもない。よく知っているはずの田中さんの、初めて見る姿が写し出された一冊でした。ご自身で完成品をご覧になっていかがでしたか?

「いい意味で“軽くない作品”になっていたので、それはよかったです。僕は写真チェックを一切しないので、全部カメラマンの前(康輔)さんにおまかせして。そうしてできあがったものがこれだったので、よかった、というのが素直な意見ですね」

――軽いものにしたくない、というのは、当初からの思いだったのでしょうか。

© 前康輔/ぴあ

「それこそ、僕はもう3冊目の写真集を出させていただくっていう、よくわからない環境なんですけど(笑)、すべてにおいてそれは思っています。

どうしても俳優としてのちっぽけなプライドというか……プライドというよりは、こだわりや意地のようなものがあって。本当はダメなんですけど、芸能人としての自覚があまりないので、<俳優だから作れる作品にしたい>というのをいつも思っているんです。

かと言って、俳優がなにをできるんだ、と言われたら、なにもできないんですけど。なにかひとつ、普通にイメージする写真集というものと、ちょっとかけ離れているほうがいいなあと。そういう意味で、出来上がりを見てこの3冊目の『R』がいちばんかけ離れていたので、作らさせてもらってよかったなと思います」

――“素の田中圭”ではなく、“俳優・田中圭”を意識して作った本なのですね。

「や、本人は意識していないですけどね。普通にただキャッキャ、キャッキャして撮られてるだけなんですけど(笑)。それこそ映像作品をやっていても、もちろんお芝居をしているときは別ですけど、じゃあ現場にいてカメラが回ってないとき、ずっと俳優として毅然としているのかっていうと、そうじゃないし。でもやっぱりどこか俳優としてスイッチが入るときはあって。

写真集って、台詞もなくて役もなくて、与えられたものを演じるわけじゃないから、やっぱり恥ずかしいんです。でも今回、いいバランスで“俳優としての田中圭”と、“俳優としての田中圭の素”が写真に出ていて、そういうものを前さんが引き出してくれたのは感謝ですね。

終わってから前さんに『田中圭の素ではないけど、俳優・田中圭の素はすごく撮れた気がする』って言われたんですけど、嬉しかったです」