通し稽古を見て思わず涙してしまった、福田雄一演出のコメディ舞台『エドウィン・ドルードの謎』。コメディなのに何故!?その「謎」を抱きながら出演者の壮一帆と平野綾に話を聞いた。
涙を抑えきれなかった「謎」を解明すべく、壮一帆&平野綾を直撃!
現在、東京・日比谷のシアタークリエで上演中の舞台『エドウィン・ドルードの謎』。
公演を前に通し稽古の様子を見せていただいたのだが、コメディ作品、しかもテレビドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズや舞台『モンティ・パイソンのSPAMALOT』の福田雄一氏の脚本・演出とあって、とにかく面白い!…はずなのに、私は思わず感極まって泣いてしまったのだ。
そして胸にこみあげてくるものを抑えきれないまま帰路につき、自宅に戻ってからもその余韻を味わうことになった。どうして涙があふれてきたのか、その理由は考えても分からない。
そこで別の日に行った『エドウィン・ドルードの謎』に出演の壮一帆さん、平野綾さんのお2人へのインタビューで、私の涙の理由も探ることにした。
――先日、通し稽古を見せていただいたんですが、実はそのとき、なぜか最後に泣いてしまったんです。
壮・平野:えーっ!?
平野:具体的にどの部分ですか?
――どのシーンでというわけではないんですが、こみ上げるものを抑えきれなくなってしまって…。そこで今日はその謎も解いていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
壮:『エドウィン・ドルードの謎』と共に(笑)。
無茶ぶりは多いが、マイナスになることはさせない福田雄一の絶妙な演出
――平野さんは福田さんとずいぶん一緒に仕事をされていますが、コメディは慣れたものという感じですか?
平野:それが毎回不安なんです。私自身、根が面白くない人間なので、真剣に考えれば考えるほど面白くなくなっちゃうんです。なので、あんまり深く考えないでやろうと思ってます。
――壮さんは今回、福田さんと最初の仕事ですが…
壮:私はなんでも受け入れたいと思っています。
平野:壮さんはすごいんです。福田さんが考えている通りのことと、それ以上のことにも即座に対応してて…
壮:やってないよ!できてないよ!
平野:福田さんがちょっとここ多めに踊ってとか言っただけで、もうすごいです…。
壮:あんなに振付考えたことない!振付家のところに私の名前も入れてほしい!(笑)
平野:周りはさすが壮さん!って感じで、感動してるんです。まさか福田さんのあの一言でこんなに膨らませてくださるとは…。
壮:そんなことないです。すごく足を引っ張ってると思います(笑)。