カンパニーが一体となった、観客の心を打つコメディ作品に
――今度の舞台も宝塚時代のファンの方がいらっしゃると思いますが、どんな風に見てもらいたいですか?
壮:新しい壮一帆の一面を見ていただきたいと思うし、どれくらいカンパニーに私が溶け込んでいるかなあとか、温かい目でご覧いただけたらと思ってます。
それから、宝塚の場合はお客様それぞれに好きな出演者がいても、客席にいらっしゃるのは「宝塚のファン」でしたが、今回は綾ちゃんファンもいれば、福田さんファンもいらっしゃいます。だから、みなさまにどういうふうに受け取られるかなあと思っています。
――では最後に、この舞台を楽しみにしている方々に一言ずつ頂戴できますか。
壮:キャストもアンサンブルも一人一人が際立っていて、それぞれが自分のことをちゃんとやって出来上がっているカンパニーです。だから、私もその中でレベルを落とさないように一生懸命やっていこうと思います。
それと、『エドウィン・ドルードの謎』はコメディですが、全員コメディという意識はなく真っ向勝負でやっているので、見に来る方の心を打つものができればよいなと思います。エネルギッシュにやっていきたいです。
平野:今回はコメディとは対照的に歌がとってもいいんです。だから、コメディという枠に収まらないというか、作品の中で様々な面が見られると思います。
それと『エドウィン・ドルードの謎』は、福田さんにとっても自分の色をどこまで出していくかというところが挑戦だったと思うんです。その中で、カンパニー全員がコメディや作品に対して積極的に取り組んだことで、今まで見たこともないそれぞれの新たな個性が出てるなあと思って。
あんな(山口)祐一郎さん見たことない、とか、今(拓哉)さんあんなことしちゃうんだとか、そういうものが前面に出ています。
――なるほど。舞台がいっそう楽しみになりました。今日はありがとうございました。
通し稽古で私が思わず泣いてしまった理由。それは、カンパニーの皆さんの素晴らしい雰囲気と、コメディに真摯に取り組む姿に感動したためなのだと、お2人の話を聞いて思った。
以前、福田雄一氏にインタビューした際、「俳優さんの笑いの表現」について「セリフの言い方や表情、表現方法など、笑いへのアプローチが多い」と話していた。『エドウィン・ドルードの謎』はまさに、全員が一体となり、笑いと向き合った俳優陣が作り上げた作品だ。
私のように、笑いだけでなく感動がこみ上げてくること間違いなし!の舞台である。
山口祐一郎 壮 一帆 平野 綾 水田航生 瀬戸カトリーヌ コング桑田 今 拓哉 保坂知寿ほか
・公演期間/会場
東京:4/4~4/25 シアタークリエ
大阪:4/28~5/1 サンケイホールブリーゼ
名古屋:5/4~5/7 中日劇場
福岡:5/14~5/15 福岡市民会館
・ストーリー
座長(山口祐一郎)の挨拶の下、“ロワイヤル音楽堂”の俳優たちが演じる『エドウィン・ドルードの謎』。エドウィン・ドルード(壮一帆)はローザ(平野綾)と結婚をし、エジプトでの起業を計画していた。しかし、彼らの周りには不穏な空気が。そしてクリスマスの翌日、エドウィンが行方不明になる。彼は死んだのか?ならば犯人は?ここから先のストーリーを決めるのは、観客であるアナタ!あなたの1票が物語を決めるのだ!