福田雄一監督

小学生でコント台本を書く!? 福田雄一の笑いのルーツとは?

――ところで、福田監督の笑いのルーツを伺いたいのですが…。

福田:もともと父がお笑いが好きで。まだ家庭にビデオデッキが普及していない頃に、『8時だヨ!全員集合』と同じ時間に『オレたちひょうきん族』が始まるから、という理由で買ってしまうような人だったし、周りの人を笑わせるのも好きでしたね。

僕自身も小学生の時、お楽しみ会とかで友達とコントをしてました。僕が台本を書いて、ちゃんと稽古もして。僕らは必ずトリで、ほかのクラスの生徒も見に来るほどでした。

――小学生で、ですか。すごいですね。

福田:でもそれからしばらく経って、プロゴルファーを目指したものの、夢破れて引きこもりみたいになっちゃって。そんな時、東京の小劇場がブームというニュースを見たんです。それが楽しそうで、さっそくテレビで紹介されてた第三舞台を見に行って。「こんなに笑えるお芝居をする劇団があるんだ!」と感動して、追っかけみたいになってました。

©2015「明烏」製作委員会

俳優の笑いへのアプローチを見せつけられた『ココリコミラクルタイプ』

――『THE3名様』が初監督作品だそうですが、監督を手掛けるきっかけは何だったんですか?

福田:フジテレビのバラエティ番組『ココリコミラクルタイプ』です。もともと僕は芸人さんの作家をしてたんですが、当時は放送作家として『ココリコ~』の現場でいろいろな演出方法や、松下由樹さん、八嶋智人さんなど俳優陣が生み出す笑いの凄さを見ていました。だから、同じく俳優さんで作るコメディ『THE3名様』の監督もできると思えたんです。最初がこの作品だったことはとてもラッキーでした。

――俳優さんと芸人さんの笑いの違いはどの辺にあるのでしょう。

福田:芸人さんの一番の武器はセリフです。そういう笑いも刺激的で面白いですが、『ココリコ~』ではセリフの言い方や表情、表現方法など、俳優さんの笑いへのアプローチの多さをまざまざと見せつけられ、惹きつけられました。