『ストロボ・エッジ』と『アオハライド』に続く「咲坂伊緒 青春三部作」の最終章という位置付けの大人気少女コミック『思い、思われ、ふり、ふられ(ふりふら)』のアニメ映画版が、9月18日(金)より劇場公開されました。
8月14日(金)には実写映画版が公開されることも話題となる中、メイン登場人物の1人である山本理央を演じた島﨑信長さんにインタビューを実施!
等身大な高校生たちの心情変化を描いた本作で、島﨑さんがどのように役どころを捉えて演じたのかお聞きしました。
ピュアとリアルというキーワードが鮮烈に描かれる衝撃の冒頭シーン!
――夢見がちな少女である市原由奈と理央の初遭遇のシーンが印象的でした。
由奈視点からは王子様のように映っている理央の第1声が(由奈が踏まないように)「ウンコ」と言うのが衝撃で……!
島﨑:はっはっは(笑)。由奈ちゃんがキラキラとした妄想をしている直後ですから、とてもうまいシーンだと思いました。
少女コミックに出てくるような王子様が「ウンコ」って言うギャップでリアリティをすごく感じられるから、一気に惹きつけられるんですよね。そういう描写が『ふりふら』にはいっぱいあって。
――そんな登場をした理央ですが、前半と後半でずいぶん印象が変わっていきます。島崎さん自身は演じられた理央という登場人物をどう捉えていますか?
島﨑:とってもわかりやすい人だと思っています。
最初は王子様と言われたり一見クールでカッコよく見られるんですけれど、それは過去に上手くいかないことがあって人に興味が持てなくなり、くすぶっているだけで。
それが由奈ちゃんを意識し始めたとたん、ちょっとしたことで照れるしドキドキしちゃうような等身大の男の子なんですよ。
理央が本来持っているそんな真っ直ぐでかわいらしい一面が、扉が開くようにどんどん出てくるところが好きですね。
島﨑信長が共感したシーンとは?
――物語後半の理央はかなり一途ですよね。
島﨑:自分の気持ちに正直に突っ走っていますよね。
(乾)和臣や(山本)朱里だったら一回考えちゃうようなことも、気持ちで押しちゃう。
僕自身もそうなので、すごく共感できるんです。一生懸命に走る場面も、青春って感じがして良いですよね(笑)。
――見ている人が登場人物のいろいろな一面に共感できるのも『ふりふら』の魅力ですが、島﨑さんはどこに一番共感しましたか?
島﨑:たくさんあるのですが、一番は映画を仕事にしたいという和臣の夢ですね。
僕も好きな事を仕事でやらせていただいていて、今でも大好きだからこそ声優さんが関わるコンテンツに関わっていきたい。だから僕の中の大共感ポイントなんです。
『ふりふら』には恋愛部分だけじゃなくて、そんな夢だったり、複雑な家庭環境だったり、男同士の友情だったり、青春を取り巻くさまざまなものが1本の作品の中に詰め込まれていると感じます。
――島﨑さんから見て、理央と和臣は意外と共通点もあるのでしょうか?
島﨑:和臣も基本的にはストレートな人だと思うんです。
ただ理央や由奈は好きという気持ちが定まったら一直線ってタイプですが、和臣や朱里は周りの人や相手のことを考え過ぎちゃう大人な一面も持っている。
たとえば社会に出たらたとえ好きな相手がいても、その場の環境を壊さないように予防線を張っちゃうとか、ありますよね。
でも、あくまで視野がちょっと広いってだけで、根っこが真っ直ぐな人というのは、理央も和臣も同じだと思っています。
――お互いの気持ちははっきりしているのにすれ違っちゃうところも、青春って感じでした。
島﨑:青春って、子どもから大人へと繋がっていく間じゃないですか。
そんな中で、特に由奈ちゃんは社会生活を営んでいくうちにだんだん失われてしまうピュアな面を強く持っている。
そんな眩しくて尊敬できる彼女だからこそ、一緒にいるとエネルギーがもらえると思うんです。僕も理央と同じように、純粋で真っ直ぐで一所懸命な由奈ちゃんに惹かれますね。