撮影/稲澤朝博

Snow Man目黒蓮が単独初主演を務める映画『わたしの幸せな結婚』が3月17日(金)より公開。

明治・大正期を彷彿とさせる架空の時代を舞台に、心を閉ざした冷酷な軍隊長・久堂清霞(目黒)と、家族に虐げられて育った少女・斎森美世(今田美桜)の政略結婚から始まる異色のラブストーリーを描く。

渡邊圭祐が演じるのは若くして貿易会社の社長に上り詰めた名家の御曹司・鶴木新。職業柄、街の情報に精通していて、清霞が率いる陸軍の対異特殊部隊にも出入りをしているが、なぜか美世の様子を常に監視し、清霞に敵意を示す。その真意は……。

謎の多い人物だけに多くを語れないのだが、その中でも演じる上でポイントとしていた部分などを明かしてくれた。また共演の目黒、今田とのエピソードや、「今、守りたいもの」についても語ってくれた。

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塚原さんともう一度ご一緒できることがうれしかった

撮影/稲澤朝博

――本作はドラマ『MIU404』(2020年放送)でご一緒した塚原あゆ子監督の作品となりますが、出演が決まったときはどんな思いがありましたか。

お話をいただいた時点では、以前ご一緒した監督ともう一度ということがまだなかったので、塚原さんとまたご一緒できることがすごくうれしかったです。

それから、演じる役がまた謎の人物だなとも思いました(笑)。前回は謎の多いYouTuber役で、“謎の人物”というところは一緒ですが、中身は全く違うので、そこは演じ甲斐があると思いました。目黒(蓮)さん演じる主人公の恋敵のようなポジションでもありますから。

あとは(ドラマ『恋はDeepに』2021年放送で共演した)今田美桜ちゃんとの再共演もそうですし、いろいろと楽しみが多い作品でした。

――『MIU404』の時は作品のスパイス的な立ち位置だったかと思うのですが、今回は、主役との掛け合いも多いメインでの出演となります。その点で何か思うことはありましたか。

塚原さんとご一緒するのは(撮影時で)約2年ぶりだったので、少なからず成長している姿を見せないといけないなという思いはありました。ただ先ほども言ったように、楽しみだったし、楽しもうという気持ちの方が大きかったです。

僕はまだまだ知らないことも多いので、塚原さんにまたいろいろ教えていただきながらいい撮影ができればと思っていました。塚原さんからは事前にこんな感じの役柄という説明はありましたが、基本は現場で探りながら作っていきました。

――鶴木新を演じる上で意識していたことはありますか。

ずっと出てくるわけではなく、特に序盤はストーリーの中のポイントとなる場面で出てくるキャラクターなので、その時々でインパクトを残せるようにというのは大切にしていました。

特に清霞役の目黒さんと対峙するシーンは、役の上でのバックボーンみたいなものも踏まえて、新が清霞より一枚も二枚も、上手に見えるようにしたいと思っていました。清霞が新に対して、焦りとかの感情を抱けるような人になるよう意識していました。

©2023 映画『わたしの幸せな結婚』製作委員会

――ライバルとしての立ち位置を明確にするような?

新からすると、ライバルという感覚はあまり持っていなかったと思うんです。清霞のことは最初から下に見ていた気がします。「お前みたいなものが」みたいなテンションだったので、ある意味では、敵対すらしていない。だから、上手にいるようにということにつながるんです。

――新の行動って、観客目線からだと邪魔な存在なんですけど、新の立場から見ると、ごく自然な当たり前のことをしているだけなんですよね。

確かにそうなんです。けどまあ、恋敵なんて邪魔なものですから(笑)。作品全体から見れば、邪魔であることが良かったりするのかなと思ってます。(役として)嫌われたら、それは役を全うできたということだから、役者冥利に尽きるとも思います。