福田雄一監督

今後テレビでやるべきことは「どうだ面白いだろう」というコント

――今年初めにNHKで放送された『新春TV放談2015』では「どうだ面白いだろう」というコントを見せたいと仰ってましたが…。

福田:やっぱりそういうことはテレビがやるべきだと思うんです。お笑いを一番やりやすいのはテレビですから。今は情報を詰め込んだ番組ばかりですけど、昔、『全員集合』や『ひょうきん族』を見て「これが何の役に立つの?」と思ってた人はいないはずです。つまり、テレビはお役立ちツールになってはいけないんです。「あの番組が見たい!」と思わせるものを作らなければ、テレビは必要のないものになってしまう。それは大のテレビ好きとしてもそう思います。

――確かに、今は手放しで笑える番組がなかなかありません。

福田:そうなんです。今はテレビの地位が下がっています。だから、作り手は一般の人ができないような経験をして番組を作るべきだと思っています。

「映画は一番規制が少なくて苦手」と語る福田監督。でも映画だからこそ、規制のないバカバカしさに大口を開けて笑える作品ができたのかもしれません。『明烏』は、とにかく頼りないヤツらに誰もが手放しで楽しめる映画です。

『明烏 あけがらす』5月16日(土)全国ロードショー
品川のホストクラブ「明烏」。翌日に借金の返済期限が迫ったホストのナオキ(菅田将暉)は、無事、返済金1000万円を用意できたことを祝い、同僚と宴会を開く。しかし、次の日の夕方に目を覚ますと金がない!どうやら金の工面が付いたのは夢だったらしい…。借金を返せなければナオキは東京湾に沈められる。同僚と父親、金の払えない女…誰も頼りにならない中、どうするナオキ!

会社員からテレビ番組やDVDなど映像関係の英日翻訳者を経てライターに。 ハーバルセラピスト、アロマセラピーアドバイザーの資格あり。子供の頃からお笑い好きで、当時読んだ「落語全集」は宝物。でも、なりたかったのは落語家ではなく小説家。今、こうして文章を書いて人に伝える仕事をしていることに喜びを感じてます。