撮影:稲澤 朝博

浅草発の現役“俥夫”のパフォーマンスユニット「東京力車(とうきょうりきしゃ)」をご存知ですか?

彼らは、人力車を引っ張りながら浅草の観光案内もできるエンターテインメント集団なんです。

6月5日にメジャーシングルを発売する個性派揃いの5人を直撃!

いつもの俥夫スタイルで、たっぷり話してくれました。カラフルな番傘でかっこよく決めた撮り下ろしカットも必見です!

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現役“俥夫”のパフォーマンスユニット「東京力車」

──まずは簡単に、メンバー紹介からお願いしたいのですが、今回は自己紹介ではなく、隣りに座っている方をそれぞれ紹介いただけますか?

山田和則(以下、山田) 面白いですね。こういう紹介の仕方は初めてです(笑)。

山田和則

田井裕一(以下、田井) じゃあ、僕から! 山田和則は、ユニットの中で最年少の21歳で、愛知県出身です。

彼は、“いるだけでいい”存在。マスコット的な感じで、彼が真ん中にいるだけでお客様の目を引くし、僕らとしても、「ただそこにいてくれるだけでいい」って感じです。

お客様の前やライブ中はしゃべらないんですけど、5人だけでいる時は一番しゃべります(笑)。

人前でしゃべるのが得意じゃないというのもあるんですけど、東京力車のお兄さんたちって、「熱い」「男らしい」というイメージが強いので、彼はちょっと真逆な雰囲気だと思います。

僕らの中でも弟キャラで、可愛くて、ただいるだけでいい……そんなメンバーです。

山田 この紹介の仕方、気分が良くなりますね(笑)。次は、滋賀県出身の白上一成くんです。

カズくんは、見ていただいても分かる通り、メンバーの中で一番肌が黒い!

外にずっといるので基本的に車夫はみんな肌が焼けていますが、カズくんのは元々なんです。

歌がメンバーイチ上手いので、歌でみんなを引っ張っていってくれています。

性格は一番真面目で、物事に一直線に突き進んでいくタイプ。

その反面、天然っぽいところもあって。そのギャップが、愛おしいな……可愛いな……って思っています。

白上一成

白上一成(以下、白上) ありがとう! 彼の隣りは、渡邉善央くんです。

渡邉善央

善央(ぜお)という名前が芸名みたいですけど、本名です。

年齢は今年で24歳、埼玉県出身。ひと言で言うと、彼は“東京力車の顔”! 見ての通り、顔もきれいで、体もガッシリしていて、ユニットの中でお兄さん的存在です。

一見クールに見えるんですけど、中身はめっちゃ熱い男。表に出さない熱さで、色で言うと青い炎みたいな。でも、おちゃらけたりする時もありますね(笑)。

動画チャンネル『C CHANEL』にも出演しているので、ぜひ見てみてください!

渡邉善央(以下、渡邉) では次に、リーダーの石橋拓也くんを紹介します。

彼は抜けている部分もあるけど(笑)、僕らの頼れるお兄さんです。

本当に熱い男。ボケとツッコミを両方できる才能も持っていて、ダンスやアクロバットで誰よりもセンスを発揮……して……ダメだ。あらためて褒めるのって恥ずかしい(笑)。

東京力車に入ったタイミングが僕と近いので、ばっしーのことを話すのはちょっと照れくさいんです(笑)。でも本当に頼れるリーダーで、東京力車を支えてくれています。

石橋拓也

石橋拓也(以下、石橋) 変な汗かいた……(笑)。最後は、田井裕一。

田井裕一

前職はウエディングプランナーでした。結婚式ではインカムを2つ着けて別々の指示を出していたりしていたらしく、ユニットのスケジュール管理や準備をする時に誰よりも効率良く動けるのはそのおかげなのかなって。

そういう部分はすごく頼りになっていますね。

話すのも得意で、ライブMCやミーティングでも率先して担当してくれて、メンバーをまとめています。僕があまりしゃべるのが得意じゃなくて、そこをカバーしてくれているので助かります。

ライブでお客様を盛り上げるのも上手ですね。ただ、僕らだけでいるとたまに適当なことを言うので、彼が言うことを全部鵜呑みにしないように気をつけています(笑)。……こんな感じでいいですか?

田井 3点!(笑)

山田 でも、この紹介の仕方、普通に自己紹介するより楽しいです(笑)。

──そんな5人が集まった「東京力車」。あらためてどんなグループですか?

石橋 「東京力車」は、東京の浅草で現役の俥夫もやりつつ、音楽活動をしているパフォーマンスユニットです。今日も6時間人力車を引っ張ってきました(笑)。

来年2020年には東京五輪がありますが、東京の観光地でもある浅草は、海外の皆様の関心も高い場所だと思うので、僕らが音楽を通して、浅草や日本の良さを世界に発信していこうという想いで結成されました。

日本男児の礼儀正しさ、泥臭さみたいなものを大切にして、熱さを全面に出したライブパフォーマンスを行っています。

──俥夫と音楽活動、どちらも全力で行っている印象を受けますが、かなり斬新で、新しいジャンルですよね。海外に向けて……ということは、英語も勉強されていたりしますか?

石橋 そうですね。現時点で英語が話せるのが、田井と善央。カズは……?

白上 僕はまだ“パッションイングリッシュ”です。

石橋 ということで、僕とカズは勉強中ですね。ノリは全くできない……というか「やらなくていいよ」と甘やかされています(笑)。

──「いるだけでいい存在」、ですからね(笑)。渡邉さんと田井さんはどこで英語を学んだのですか?

渡邉 僕は学生の時に専門が英語でした。

田井 僕は学生の時、留学生を集めてパーティーを開いたり、去年、『あいのり』に出て、海外に行っていたので話す機会が多かったから必然と……という感じですね。

でも一番英語力が伸びたのは、この仕事のおかです。

最初の頃、人力車で海外のお客様を乗せた時に上手く話せなくて。浅草の案内を英語にしたマニュアルを覚えるとか洋画を字幕で観て、英語を耳に慣らしていって、徐々に話せるようになってきたという感じです。

石橋 俺もそれやってみよう……。2020年には5人全員、バッチリ英語を話せるようになっていないといけないですからね。

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──6月にメジャーシングルが発売されます。『唯我独尊SOUL』を含め、3曲リリースされますが、それぞれ聴きどころや込められた想いを教えてください。

白上 『唯我独尊SOUL』は、「我こそは一番だ」という意味があるのですが、先ほど話したように、僕らは日本男子として、一本芯が通った魂をみなさんに一番に伝えたいし、伝わる曲になっていると思います。

和太鼓の“ドコドンッ”という音で曲が始まるので、ライブでも盛り上がる曲なんじゃないかなって。

会場が一体感に包まれる一曲になると思います。

歌ももちろんですが、結成してから1年が経って、一段とパワーアップしたダンスやアクロバットも組み込まれているので、パフォーマンスも楽しみにしていただきたいです。

そして、『前略、道の上より』は、一世風靡セピアさんのカバー曲です。

僕らは普段、浅草で路上ライブをさせていただいたりしていますが、セピアさんも路上でパフォーマンスをされていたし、他にも共通することがいくつかあるので、ぜひ曲を歌わせてほしいとお願いして実現しました。

渡邉 実は、僕のお母さんが一世風靡セピアさんのファンクラブに入っていたらしいです。「大先輩の背中を追いかけていけ」みたいな言葉をもらいました(笑)。

石橋 ファンクラブに入っていたって知らなかったよ(笑)。

もしかしたら我々よりも熱い可能性があるね、お母さん(笑)。

『ARIGATOU』は、タイトル通り、感謝の気持ちを込めた曲です。去年の9月9日に「Go to 2020」という企画がスタートして、「CDとポスターのセット2020枚を全国の方に届ける」というミッションがありました。

ショッピングモールなどでライブをして多くの方に来ていただき、そんなみなさんを僕からは“仲間”と呼ばせていただいていますが、たくさんの仲間に出会ってきました。

常にみなさんに支えられてステージに立てているんだなと感じていますが、この曲を通して、仲間への感謝の気持ちを伝えたいと思っています。

振付が手話になっているので、よりたくさんの人に届けたいです。思い入れや想いが強い一曲ですね。

──レコーディング中、一番記憶に残っていることは何かありますか?

山田 『唯我独尊SOUL』をレコーディングする日に体調を崩して、休んでしまって……。それで、僕だけ後日レコーディングすることになりました。

田井 あったね、そんなこと。

渡邉 「ヨイショ」とか「エイサ」という掛け声を、いろんなバージョンで録ったのが楽しかったです。

田井 僕はライブを盛り上げる担当で、その場の雰囲気で盛り上げ方を変えたりしているんですけど、レコーディングでは盛り上げ過ぎてもダメなので、そのバランスが難しかったです。

「ヨイショー!」や「ヨイショッ!」と言い方を少し変えるだけでも聞こえ方が違って、勉強にもなりました。

──これらの楽曲をもって、さらに飛躍していく年になると思いますが、路上ライブをやってきて良かったこと、成長したことはどこですか?

田井 僕らはライブの前後も人力車を引っ張っているんですけど、ライブを観てくださった方が、「この後、人力車に乗りたいです」と言ってくれたりするんです。

最初の頃と比べて、そう言ってくれるお客様もだいぶ増えたなと感じるし、嬉しい瞬間ですね。

石橋 最初は歌うことと踊ることで精一杯。集まっている人を見て話すこともできなくて、どんな人が来ているか分からない状態でライブをやっていました。

伝えたいことを上手く伝えられていなかったなぁって。僕と善央は東京力車に入って2年が経ちますが、今は、チラシを配っていると「あ、〇〇で見たことあります」とか、ライブ目当てできてくださる方も増えてありがたいです。

最初は苦労もしたけど、続けることに意味があるんだなってあらためて思います。