撮影:山口 真由子

SUPER JUNIORのイェソンが、日本では初となるFull Album『STORY』を2月20日にリリースした。今作にはこれまでイェソンがリリースした2枚のシングルの収録曲の他、新録曲を7曲収録。しかもその新録曲にはすべてイェソンが作詞・作曲、または作詞という形で制作に携わり、自身の想いを込めたもの。日々、イェソンが感じてきたことを“ストーリー”にし、楽曲という形にして届けてくれた。

1年以上に及んだ制作期間で感じたことや、制作のディテールなど、2月20日からスタートした3度目の日本ツアーの準備の合間を縫って、一つ一つの質問に丁寧に答えてくれた。

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“Y’s STORY”でありながら、同時に皆さんのストーリーになりうるもの

撮影:山口 真由子

――日本での1st Full Album『STORY』が2月20日にリリースになりましたが、これはいつごろから準備を始めていたんですか?

2017年の秋冬くらいから始めていました。そのときから“STORY”というコンセプトも決めていて、それに合う曲を自分で作ったり、他の方にも作って頂いたりしました。曲は他の方に作ってもらっても、歌詞は自分で書くようにしたり、とにかくコンセプトに合わせて完成度を最大限に上げるようにして行きました。

それから、僕のメリットとして、一つのジャンルだけでなく、さまざまなジャンルの曲を表現できるところをお見せしたいとも思ったので、できる限り多くの曲に挑戦してみたりもして。そんなことをしていたら、こんなに長い時間が過ぎてしまいました。

――コンセプトを“STORY”にしたのはなぜですか?

以前から曲作りをしながら、僕の話をしたいって思っていたんです。僕が経験した話だったり、僕が話してみたいストーリーだったり、僕が込めたいと思っていた感性だったり。そういうものを集めて、僕のストーリーに仕上げたいって。

ただそうは言っても、僕の独り言のようなものではなくて、皆さんに共感してもらえるようなストーリーにしたかったというのもあります。“Y’s STORY”でありながら、同時に皆さんのストーリーになりうるものを目指しました。

例えば、1曲目に収録されている「もしかしたら僕らの物語~そして僕ら~」は、メインテーマは“僕”になるんですけど、タイトルに“もしかしたら僕らの”だったり、副題として“そして僕ら”と入れて、僕のストーリーであると同時に、皆さんのストーリーとなりますようにという祈りを込めました。

それぞれの曲でどんな愛を表現するのかが重要

撮影:山口 真由子

――今回の新録曲の中で、イェソンさんが作詞・作曲の両方を手がけている曲が4曲(「Because I Love You ~大切な絆~」「いま会いにゆきます ~If You~」「そんな日は ~その痛みさえ愛するよ~」「染まったんだ ~初恋~」)あります。

以前、曲作りの方法として、メロディから思いついて作るもの、先にテーマを考えてそれに合わせた曲を作るなどの方法があるとお話をされていましたが、今回はどのような曲作りの仕方をしたのですか?

メロディを先に思いついて、そこから曲作りをする場合は、僕が歌いたい歌に限られるんですね。ですから、今回は先ほども言いましたように先にテーマを決めていたので、それに合ったものを作るという方法でした。そして、そのテーマの下で、さまざまジャンルの曲にする必要性を感じていました。

例えば、「Because I Love You ~大切な絆~」であれば、僕がやりたいと思っていたジャズ調の曲になっていて、「いま会いにゆきます ~If You~」、「染まったんだ ~初恋~」はミディアムテンポのスウィーティな曲。これは僕が特に好きなジャンルなので、2曲入っています。

それから、「そんな日は ~その痛みさえ愛するよ~」は、アルバムの中に1曲くらいは悲しい歌があってもいいのかな?と思って作りました。そんな風にジャンル分けをしながら、どんな愛の形を表現するかということを重視していました。

――“愛の形”について歌うというのは最初から決めていたのですか?

そうですね。というか、それはある意味で当然だとも思っていて。人が持っている感情の中で一番大きな割合を占めるのが“愛”だと思うんです。それは男女の愛に限らず、いろんな形の愛を含むのですが、今回はそれぞれの曲でどんな愛を表現するのかが重要だと思っていました。

撮影:山口 真由子

――4曲それぞれについて、具体的にどんなことを思って作って行ったのかを教えてもらえますか?

2曲目の「Because I Love You ~大切な絆~」は、まず僕がジャズ調の曲をやってみたいと思っていたので、その曲の雰囲気に合う歌詞を考えました。それで僕自身はもう10年以上感じたことのないような恋のトキメキを(笑)。

ただ誰もが一回は感じたことがあるであろう感性を入れることにしました。

3曲目の「いま会いにゆきます ~If You~」は男女がお互いに恋に落ちて行く過程を美しく表現した曲になっているんですけど、これは最近できた曲で。日本でアルバム活動やコンサートをやることを思いながら、皆さんに会いたい、会いに行けるんだという切実な気持ちを頭の中でストーリーとしてふくらませました。なのでこれは、僕とファンの皆さんとの歌でもあります。

8曲目の「染まったんだ ~初恋~」はピュアな初恋の曲になっていて、自分自身も知らないうちにそれまで感じることのなかった不思議な感情にとらわれて行く、恋に染まって行く様子を表現しました。

ただここで言う初恋とは、もう記憶にもほとんど残っていないような、小さな子供の頃に経験する初恋ではなくて。今の皆さん、すべての年齢の皆さんが、真に恋ができる相手が現れれば、それはその人との“初めての恋”になりますよね。そういう恋に染まって行く感情を皆さんに伝えたいと思って書きました。

そして、6曲目の「そんな日は ~その痛みさえ愛するよ~」は、このアルバムで唯一、切ない気持ちで恋をする歌になってます。恋に落ちて、その上で感じる痛みや辛さは、そのままに受け止めて、恋をするという話です。

恋をすると、ときにはその相手がいないと死んでしまいそうなくらいに辛い気持ちになることもあると思うんです。そういう気持ちを表現したかったし、その痛みを感じながら、相手の幸せを願いたいという想いを書きました。