プロレスがダイナミックに動いていく時に、書けた本
――本の執筆期間は、どのくらい設けられたのですか?
三田:これは、凄く長かったんです! 最初に話をいただいたのが二年前だったんですよ。こういう形で色々な人に焦点を当てる形に企画が定まってから、更に、書き始めてからそれでも一年半ぐらいかかりました。
――そうなんですか! それでは、この本の中でも大きなトピックになっている中邑真輔選手のWWE移籍も執筆がスタートした段階では……。
三田:そうなんですよ! ああいったニュースも全て想定外で。元々、最初の本だったので、担当の方も非常に長めに締め切りの期間は取っていただいていたんですね。それでも、今年の頭には出そうと思っていたんですが、何とか去年の暮れぐらいに原稿が揃ってきた状態で、年明けに中邑選手が新日本プロレスを辞めるということになり、「うわ~!」と思って、慌ててそれも校正の時に入れることになったり。
――今年の大ニュースである飯伏幸太選手のフリー宣言も……。
三田:飯伏選手のニュースも執筆中に飛び込んできました。飯伏選手が(新日本プロレスリングとDDTプロレスリングの)二団体所属になった1年後から書き始めていたんですね。ファンとして凄く喜んでいたんですけど、その内に飯伏選手が心身ともに疲れきって、欠場をしてしまいまして……実は、欠場している時に原稿をほぼ書き終わっていたんですよ。
これはこのまま欠場のまま終わるのかなと思ったら、復帰、更に、二団体退団ということになって「え~!?」って。なので、タイミング的には良かったのか悪かったのか分からないですけれど、そうそう十年に一度ぐらいしか起きないようなことが立て続けに起こった時に、本を出せたんです。
――中邑選手や飯伏選手の一番ドラマティックな部分を偶然にも捉えられたという部分もあるわけですね。
三田:そうなんです。今のプロレスのおもしろい部分もあれば、皆、飛び立っていったり、新天地を求めて行ったりする人もいるんだよということを入れられて良かったのかな、と。本当に偶然なんですけど。
――まさに、執筆している間に次々と大きなニュースが入ってくるわけですよね?
三田:だから、この一年半の間に結構、色々なことがあって、どんどん原稿を書き加えていった形ですね。その間に、色んな団体が良くなっていったり、この一年半、そうした大きな変化を見続けつつ、どんどんリロードしつつできた本ではありました。
――そういう意味では、この本の中に登場するプロレスラーや団体の一番おもしろい時期を取り上げることができたという。
三田:そうですね。非常にドラマティックであり、ダイナミックに動いていく時に、書けて良かったと思います。そして、プロレスが、これだけダイナミックな世界なんだよっていうのをお届けできたかなと思います。