2.好意が空回りするのがつらかった

「遊びというか、いちいち付き合おうって言うのが面倒くさいしお互い楽しいならいいじゃん、と軽い気持ちで会っている女友達がいました。

一緒にいると気を使わなくていいし、食事もドライブもストレスなく行けるので自分としては一番仲のいい異性の友人って感じで。

肉体関係はなかったのですが、軽い好意は持っていました。

本気じゃないし、彼女は好きな男性がいてうまくいっていない悩みなんかを聞くのは苦痛じゃなかったです。

でも、その男が彼女のことを適当に扱っているのがわかって頭にきて、『そんな奴やめたら』と思わず言ったことがあって。

『簡単にやめられるならこんなに苦しまないよ』って元気なく笑う彼女を見たら、胸がぎゅっとなって『俺を彼氏にすればいいのに』と思ってしまいました。

彼女が悩んでいるときに『会う気になれない』って誘いを断られることが増えて、イライラする自分に気がついてあぁ好きなんだな、と思いました。

でも、実際に俺を好きになってもらうにはどうすれば良いのか、今まで通り『食事でも買い物でも何でも付き合うよ』、と言っても彼女は『ありがとう』と言うだけで誘ってくれないし、俺ばかり彼女に連絡しては機嫌をとるような感じで、好きな気持ちが空回りするのがつらかったです。

『いつもありがとう』と彼女は言うけど、一向に縮まらない距離に耐えられなくなって、俺のほうから『本当に好きだから、付き合ってほしい』と言いました。

彼女の返事は『うれしいけど、考えさせてほしい』で、これでフラれたらもう友達にも戻れないのかな、とか考えたら絶望的な気分でしたね。

結局、彼女からは改めて『“あんな奴やめろ“って言われたときから、あなたの態度が変わってきたのは何となく気づいていたけど、どう思われているのかわからなくて会えなかった。でも、好きになってくれてありがとう』

と連絡をもらって、今は付き合う準備?みたいな感じで彼女の気持ちが落ち着くのを待っています。

好きになってからは、必死すぎてダサいなと自分を笑ったこともあったけど、本命ならこうなるだろうなと今は思います」(28歳/営業)

決して軽く扱っていたわけではないけれど、そこまで好意を感じてはいなかった女友達。

その気持ちが恋愛感情につながったのは、「居心地のいい時間を共有できる人が、自分以外の男性との関係で苦しんでいる」事実を受け入れられなかったから。

それは嫉妬でもあり、彼女をもっと大事にしたい、自分を見てほしいと思う独占欲でもあります。

そのときはそこまで気づけなくても、本命になれば一生懸命になるのは当たり前。「ダサい」とわかっていても奔走するのは、彼女の笑顔が見たい一心だったはずです。

そんな気持ちが彼女に届き、改めてお付き合いへ向けて関係を変える気になってくれたのは良かったなと思います。

愛情を口にすることは勇気がいりますが、フラれたらすべてを失う恐怖があっても勇気を出した男性の一途さが、これからも報われますように。

本命になるとは考えていなかった女性が、ある日突然誰よりも大切な存在になる。そのとき、男性は「これからどんな関係を築けばいいのだろう」と悩み、態度や接し方を変える勇気をなかなか持てないのが現実です。

それでも、心の動きは止められません。もっと好きになりたい、そして好かれたい気持ちは、自然と行動に現れるもの。

それを女性がどう受け止めるか、相手の変化もしっかり見てそれに合わせていくことが、新しい関係への第一歩かもしれませんね。

プロフィール:37歳で出産、1児の母。 これまで多くの女性の悩みを聞いてきた実績を活かし、 復縁や不倫など、恋愛系コラムライターとして活躍中。「幸せは自分で決める」がモットーです。ブログ:Parallel Line