アメリカでアマゾンが急成長を遂げた背景には、同国特有のショッピング事情もあったようだ。


「アメリカでは本屋は郊外のショッピングモールにあることが多く、日本ほど身近にあるわけではありません。そのため、通信販売やダウンロード販売が受け入れられる土壌がありました。映像配信でも音楽配信でもアメリカが先導して大きく普及するというのは、リアル空間におけるコンテンツの手に入りにくさが影響しています」

急速に普及が予測されるタブレット端末・電子書籍端末。今年中の発売が噂される『キンドル・ファイア』、そして『iPad3』もこの状況を後押しするだろう。(野村総合研究所推計)
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そんな中、米アマゾンは昨年11月に『キンドル・ファイア』を発売し、年末までに400万台を売り上げるなど(『キンドル』販売台数含む)、アメリカで社会現象を巻き起こしている。今後、同モデルが日本で正式に発売された場合、電子書籍市場にどのような影響を与えるのだろうか。

「日本の市場では価格の安いタブレットは少ないので、200ドル前後の『キンドル・ファイア』の投入はインパクトがあります。もっとも、専用端末の普及にはやはりコンテンツの充実がカギを握ります。その点、出版社をはじめとする権利者との話し合いが進んでいない現状では、アマゾンが魅力的なコンテンツを揃えられるかどうかは疑問です。利用者数を増やすには、なにより魅力的なコンテンツが揃っていることが重要となるでしょう」