デートDVは意外に身近なもの!?
これらの行為は、彼氏が彼女にやらかすのはもちろん、彼女が彼氏に行ってデートDVとみなされます。自分を被害者にも加害者にしないよう、気をつけたいもの。
内心、ギクッとしませんか?
彼氏に何度か「LINEに返信してほしい」と催促したり、彼氏が自分よりも友達づきあいを優先しているような気がして、思わず嫉妬をぶつけてしまったり……。若干カスっている人は珍しくないです。
同じ行為でも、頻度や2人の関係性によって、それがOKかNGかは違ってきます。ただ、危険な境界線ギリギリをさまよっている人は、少なからず見受けられます。
それだけに、デートDVは、怖いくらい身近な問題だと言えるのです。
「カップル単位」思考がDVを招く!?
こうなると、どこからデートDVでどこまでセーフなのか、混乱しますよね。どこで線を引くか、自分なりの基準を持っておきたいですよね。
一つのやり方として、著者の伊田広行さんが提案するのは、「カップル単位」ではなく「シングル単位」でモノを考えるということ(42ページ)。
「カップル単位」の考え方とは、簡単に言うと「私たちは2人で1つ」とか「相手は自分のもの」のように、自分と恋人の存在を溶け合わせた捉え方です。
正直、「恋人同士なら自然なことじゃないの?」「1つになれたら幸せじゃないの?」と疑問がわかなくもないような……!? しかし、当たり前だと思っていた恋愛観の中に、DV性がひそんでいるわけです。
「カップル単位」思考の危うさは、相手が自分の思い通りにならなければ気が済まなくなるところ。愛が歪んで、うっかりデートDVに走ってしまう危険性をはらんでいます。
「シングル単位」で危ない妄想を断ち切る!
一方、「シングル単位」の考え方とは、ものすごくざっくり言うと「自分は自分、彼氏は彼氏」とスパッ!と割り切ることです (44ページ)。
割り切って考えられれば、お互いの違いに寛容になれます。嫉妬や束縛、監視のような、DV的な行為がいらなくなりますね。
どうやら、「彼氏と私は違うのだ」ということをポジティブに受け取るか、ネガティブな意味にとってしまうかが分かれ目のようです。
彼氏と自分は「同じ」気持ちでいるのだと信じたい……という、少女マンガ的な妄想を捨て切れない女性は、少なからずいるかと思いますが、ここは妄想との勝負になりそうです。
「カップル単位」の妄想を捨てて、「シングル単位」の恋愛観を育むことが、デートDVを防ぐ方法なのです。
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考えてみれば、この本で「カップル単位」と呼ばれている思考は、デートDVのみならず、恋の悩みを大量発生させる要因なのかもしれません。
恋の悩みの大半が、「私」ではなく「私たち」という感覚で物事を捉えている時に、生まれてくるのではないでしょうか。
2人がお互いを尊重し合う考え方を身につけることで、DV的な要素を薄めて、安心できる関係を築きたいですね。