言うだけでなく、下半身を露出したり、女性の身体に触ったりしたら?

ーー幼児なので遊び心と興味本意からではありますが …下半身を出して見せたり、保育士さんなど女性の胸を触ろうとするのはどうなのでしょう?

岩沙:大人が下半身を露出したり、女性の身体に触ったりしたら、もちろん公然わいせつ罪(刑法174条)や痴漢(迷惑防止条例違反、悪質なものは刑法176条の強制わいせつ罪)になりますが、14歳未満の子どもがしても犯罪にはなりません。

しかし、親の監督責任を追及されて、親に損害賠償責任が発生することがありますので(民法709条、714条1項)、しっかりと注意をしましょう。

ーーなるほど。子どもだからといって許されるとも限らないのですね。

“マナー”として教えるべき事

女親としては難しいところも多いのが、男の子の子育て。
このような話については、「なんでダメなの?」と聞かれると答えに窮してしまい、しっかりと説明できないままになんとなく見過ごしがちです。

しかし、来たるべき思春期や、14歳以降の事を考えても、幼児期からしっかりと「やってはいけない事」として教えておきたいもの。

『基本的には、14歳未満の子どもがしたことは、罪にはなりません。しかしマナー違反の場合も多く、最悪の場合親の損害賠償責任も発生しますので、しっかりと注意をしてくださいね。』と岩沙先生。

子どもが性差に興味を持つのはごく自然な事。
幼児期においては、まずは公共マナーのひとつとして、「誰かが恥ずかしくなるような事はやってはいけない」という事を伝えていきましょう。

 

■岩沙 好幸(いわさ よしゆき)
弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業、首都大学東京法科大学院修了。
弁護士法人アディーレ法律事務所。
パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物好きでフクロウを飼育中。
近著に『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)。『弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ』も更新中。