昔から、「男の子は体が弱いから、小さいうちは育てるのが大変だ」とか、お母さん同士の会話の中で、「子供を幼稚園(保育園)に通わせているが、男の子は風邪を引きやすく休みがちで心配」といった事を耳にします。
特に乳幼児期は、「男の子は病気をしやすい」と言われる事があるでしょう。また、乳幼児期だけでなく、「男性と比べて、女性の方が健康で、かつ痛みに強い」ともいわれます。
この理由は、男性よりも女性の方が平均寿命が長いことや、出産の痛みに耐えていることから、上記のようなイメージが出来上がったのだと考えられます。
では本当に、男の子の方が女の子よりも身体が弱いのでしょうか? 統計学的・医学的観点からみていきましょう。
平均寿命だけじゃない! 「乳幼児死亡率」にも男女差が…
まずは、成人の日本人の寿命に関る統計についてです。厚生労働省が出した最近の調査では、男性と比較して女性の方が、平均寿命は7歳も長いというデータが出ています。
なぜ男性は、女性よりも寿命が短いのかですが、男性は環境の変化への適応能力が女性よりも低く、尚且つ仕事などのストレスに曝される環境に長くいる事が原因と考えられます。
また、嗜好品にお酒やたばこを好む人が多く、それが原因となって心血管系疾患や癌に罹りやすくなるからです。
次に、乳幼児死亡率に関する統計です。厚生労働省による調査では、女子よりも男子の死亡率が高い傾向にあります。これは、男の子は、女の子より胎児期にお腹の中で大きくなる傾向があり、出産時に母体の負担やトラブルの原因となることが多いためといわれています。
しかし、現代の医療は発達し、その差は縮まっているのが現状です。
また、男の子は、生まれた時の肺の機能の成熟が、女の子と比べて平均的に遅れがちであることや、男の子の方が代謝が活発な事が、小さい頃の男の子の「弱さ」につながっていると考えられます。