マタニティマークと世間の認識のズレ

妊産婦以外の一般の方々に対し、マタニティ―マークについてどのような認識を持っているのかを聞いたリサーチでは、最も多かったのが「交通機関などで周囲にサポートしてもらうためのもの」で約半数の47.5%。

続いて「妊娠していることを周囲にアピールするもの」(38.4%)、「緊急時に周囲に妊娠中だと知らせるためのもの」(13.9%)となりました。

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一方、妊産婦が身につけている理由を聞いてみると、最も多かったのは「緊急時に周囲に妊娠中だと知らせるためのもの」が半数以上の56.8%。

続いて「交通機関などで周囲にサポートしてもらうためのもの」(23.8%)、「妊娠していることをアピールするもの」(17.2%)となりました。

まとめ

このリサーチから、妊産婦は、主に外出した際の緊急時に自身が妊娠中と気付いてもらう必要を感じてマタニティマークを身につけているのに対し、妊産婦以外の一般では、交通機関などで席を譲ってもらうため、妊娠していることを周囲にアピールするためと認識している傾向が見えてきました。

妊娠中は家の中ではもちろん、外出中も、ふらつきや立ちくらみが起こりやすかったり、体の変化とともに転びやすくなったり、腹痛、出血や破水などが起こる可能性もあります。

そんなもしもの時に「妊婦である」ということがわかれば、医療機関などで母子手帳をすぐに確認し、緊急連絡先やかかりつけの医療機関、定期健診の記録や検査結果などの重要な情報を確認することができます。

また、どの病院に搬送するかについては、症状だけではなく、妊娠週数に応じて判断されるため、適切に対応してもらうためにも「妊婦である」と知らせることは大切なことなのです。

決して「席を譲ってほしいから」という理由だけでつけているわけではないこと、また、体調の変化を迎えている妊婦さんに周囲がさりげなく気づかいできるよう、マタニティマークが正しく理解され、受け入れられることが必要です。

マタニティマークをつけると危険という話ばかりが先行してしまっていますが、とはいえ、9割の妊婦さんは、マタニティマークで危険や不快な思いをしたことがないと回答しています。

今後も、マタニティマークへの理解や浸透をはかるだけでなく、困っている人、大変な人を見かけたら、サポートするという当たり前のことができる世の中になっていってほしいものですね。

参照:マタニティマークに関する意識調査[econte]

FMラジオ放送局、IT系での仕事人生活を経て、フリーランスモノ書き。好きなものは、クラゲ、ジュゴン、宇宙、絵本、コドモ、ヘンテコなもの。座右の銘は「明日地球がなくなるかもしれないから、今すぐ食べる」。木漏れ日の下で読書と昼寝をする生活と絵本に携わることを夢見て、日々生きています。