会話の途中の相槌は、オウム返しと「3S」を効果的に使おう
夫にたくさん話してもらうには、相槌の打ち方も大切なようです。相槌の仕方はいろいろありますが、たいてい「うんうん」や「ふ~ん」が多いでしょう。これだけだと、会話がなかなか弾みません。
そこで、話のポイントとなるところでは、オウム返しをします。
○1. オウム返し
「もう、本当に大変だったんだよ」と夫が言ったら、「大変だったんだ」と、同じ言葉を繰り返します。そうすることで、夫はより「自分の話をちゃんと聴いてもらっている」と感じることができます。
また、松橋さんいわく、男は女性のほめ言葉にとても弱い生き物とのこと。そこで、夫との会話の合間に『3S』を入れると、効果的だと言います。
○2. 3S
3Sとは、「すごい・さすが・すてき」のそれぞれ頭文字から来ています。女性からしたら「そんな単純な言葉…」と思うかもしれませんが、このシンプルなほめ言葉こそが、男心を掴んで、おしゃべりにさすのだそうです。
夫との会話には、「すごいわ」「さすがだわ」「ステキね~」の3Sも適時入れていきましょう。
“話が盛り上がる質問”を使おう
話を聴いている最中は、質問も適度に使いこなすと、より話をしてくれるようになります。松橋さんがおすすめする質問は、『オープンクエスチョン』と『深堀質問』です。
○3. オープンクエスチョン
オープンクエスチョンとは、相手に自由度が高く、話を広げていくことのできる質問のことです。それに対し、相手に自由度が低く、話を狭める質問を、クローズドクエスチョンといいます。
「今日は仕事どうだった?」「○○について、どう思う?」という質問の仕方が、オープンクエスチョン。
「今日は仕事忙しかった?」「○○について、ひどいと思わない?」という質問の仕方が、クローズドクエスチョンです。
クローズドクエスチョンは、「はい」か「いいえ」でしか答えられないので、話が盛り上がらないのです。話が盛り上がらない人は、クローズドクエスチョンを会話の中でよく使っているそうです。
夫に話しかけるときは、オープンクエスチョンを使って、自由にいろんなことを話せるようにしてあげることが大切です。
○4. 深堀質問
深堀質問とは、話を横に大きく広げるのではなく、縦に深く掘っていく質問のこと。
具体的には、「へー、それでそれで?」「例えば?」「具体的には?」「というと?」などの質問のことです。これは、カウンセラーがよく使う、クライアントと親密な関係を築くときにも使う欠かせない質問術です。
夫との話題を盛り上げたければ、次々に話題を新しいことに移すのではなく、ひとつの話題を深く掘り下げていってみましょう。
「こんなこと考えてたんだ」「普段話してくれないけど、いろいろ深く考えてくれてたのね」など、新たな一面が発見できるかもしれません。
松橋さんによると、「男性は女性より口ベタで話ベタ。それに、仕事で疲れて帰ってきていると、家では基本的に無口になります。
そんな夫をますます無口にするのか、「妻と話していると楽しいなあ」と思ってもらうようにするのかは、妻のコミュニケーション術次第」とのこと。
今日お伝えした、聴き方・相槌・質問の技術は、どれもすぐ使えるものばかりですね。これらを使って、夫とコミュニケーションをとってみてください。夫婦仲にきっといい変化をもたらしてくれるはずです。
取材協力:松橋良紀(コミュニケーション総合研究所 代表理事)
『話し方で「成功する人」と「失敗する人」の習慣』(明日香出版)、『なぜか好かれる人 27のルール: 相手の心をがっちりつかむ心理テクニック! 』(知的生きかた文庫)、『「聞き上手」はなぜ給料が高いのか』(ぱる出版)など十七冊もの著書を出版。
「聴き方を広げれば、日本が笑顔と笑い声で満たされる」をテーマに、今年、一般社団法人日本聴き方協会を設立。