自殺で死亡し、精神衛生上の問題を抱えていた子どもの間では、注意力欠如障害(ADD)が、鬱や気分変調のほぼ2倍見られました(注意力欠如障害(ADD)/注意欠陥多動性障害(ADHD)59%に対し、鬱は33%)。
一方、青少年では、鬱が注意欠陥多動性障害(ADHD)の2倍ほど多く見られました。(注意欠陥多動性障害(ADHD)29%に対し、鬱が66%)。
子どもの自殺を防ぐために親ができることはなにか
自殺について考える子どもの多くは、自傷行為や自殺まで至ることはなく、注意欠陥多動性障害(ADHD)や鬱病を患う子どもの大多数にも自殺傾向はありません。
しかしもし死にたいことを口にしたり、自傷行為をしたりする子どもがいれば、深刻に受け止め、的確な対処をすることが必要です。
また子どもが自殺について知るのは大体8~9歳頃で、彼らが耳にしたり、読んだり、メディアで見た自殺に関する情報について、親子で話し合い理解を深めることが大事です。そうすることで、自殺は問題を解決する良い答えではないことを教えることができます。
子どもがあなたにとってどれほどかけがえのない存在なのか、そして問題が何であれ、いつでも味方になることも伝えましょう。
多くの大人にとって、自殺に関して質問するのは難しいものです。しかし質問を投げかけることは、子どもの命を救うことにつながるのです。
シェフタルさんの研究では、自殺で死亡した子どもおよび青少年のわずか3分の1だけが、自殺を考えていることを誰かに伝えていたことが判明しています。
自殺の専門家たちは、自殺願望や自殺行動について聞くことが予防の重要な一歩になると強調しています。
例えば、「眠ってそのまま目が覚めなければいいなんて考えたことはある?」「子どもはすごく悩んでいるときには自殺を考えてしまうときがあるのよ。あなたはそんな風に思ったことある?」といったように聞くことができます。
そしてもし子どもの答えがあなたを心配させるようなものだったり、何かおかしいと感じたりしたら、サポートを求めてください。慎重すぎるくらいでちょうど良いのです。状況の緊急度に応じて、相談窓口を利用する、小児科医に精神医療の専門家を紹介してもらうなどの判断をしましょう。
まとめ
今回はアメリカの研究結果を取り上げましたが、日本においても子どもの自殺は深刻な問題になっています。
親が子どもを苦しみから救ってあげたいと思うのは当然のこと。しかし子どもは、悩みがあっても、親に心配をかけまいと必死に隠そうとする場合もあります。そこで普段から子どもを注意深く見て、表情や性格、行動などの変化やサインを見逃さないようにしましょう。
また子どもが幸せに過ごせるように、親としてなにができるかを考えていきたいですね。
<参考記事>Psychology Today「Suicide in Children — What Every Parent Must Know」