スイーツおにぎりとはなにか。
その実態を探るため、「抹茶」と「スイーツキンカン」を食べてみた。
抹茶は、抹茶をまぶしたミニおにぎりの上に、クリームチーズ、ハチミツ、練りごまを和えたものをのせ、小豆の一種の大納言とクルミをあしらってある。
抹茶には砂糖を加えていないため、ほろ苦い。舌が抹茶のほろ苦さを感じていると、甘さが襲ってくる。苦さと甘みが混然となるこの味わいは初体験。
一方、甘酸っぱいガリ、甘く煮たキンカンの上に味噌を添えたのがスイーツキンカンだ。こんなのアリ?と首を傾げたくなったが、おいしいならいいじゃないかと納得の味であった。
原宿発おにぎりは、外国人にも人気!
そもそもファストフード店が林立する原宿に、なぜおにぎりなのか。秋山店長に尋ねた。
「この店は、おにぎりを使った実験や遊びを提案してきたTokyo Onigiri Labo(以下、ラボ)が、始めました。和食の素晴らしさを体験してほしいと思い、ファッションの発信地・原宿に出店することにしたんです」
原宿は若い女性に人気の街というイメージが強いが、アッパーや外国人などの住民も多いという。老若男女、国籍を問わず、和食に親しんでほしいことから、ファッショナブルな原宿を選んだ。実際、この日は赤ちゃんを連れた外国人夫婦がおにぎりを食べていた。
「おにぎりは人と人をつなぐアイテム。テイクアウトもできますが、おにぎりプチを手土産にし、コミュニケーションツールとして使ってほしいと思っています」
お土産用にプチおにぎりをケーキの箱に入れてくれるサービスもある。
ところで。
おにぎりの味は米で左右される。この店では先の小池精米店の三代目で、五ツ星お米マイスターでもある小池さんがラボの担当者と相談し、月ごとに産地と銘柄の異なる米を厳選している。オープン時は宮城産ササニシキを選んだ。