2.結果に対して文句を言う
例.「(食器洗い後に)シンクの周りビショビショにしないでよ」「お皿もうちょっときれいに洗ってよ」と結果に対して文句を言う。
下木「家事目標達成のレベルは夫と妻でそれぞれ。夫としては言われたことを十分にこなしたつもりなのですが、妻が普段やっている、求めるレベルは男性にとってはあまりにも高いのです。
ゾウとアリが戦うようなものです。勝負にならないのです」
3.視線を外したまま「ありがとう」と言う
例.キッチンでお尻を向けられた状態で「ありがとう」。テレビから視線を外さずに「ありがとう」と言う。
下木「ありがとう=感謝の言葉ではありますが、本当に感謝しているのかどうかを、男性は意外とチェックしています。なぜなら、報酬が大好きだから。敏感なのです。
顔を見てくれないままの『ありがとう』は“本当に感謝しているの?”と夫を寂しい気持ちにさせてしまうのです。こういうところだけ、なぜか男性は細かい。自分が大切にされていないような気持ちになるのです。
妻は『ありがとう』って言ったよね、と感謝を伝えたという気持ちになっているため、すれ違いが生まれてしまうのです」
4.不公平感を表す
例.「この前は私が子ども送ったんだから、今度はあなたの番だよね?」など不満を言う。
下木「『私が家事や育児で損している、不公平だ!』という雰囲気を出してしまうと、家事や育児そのものが『負担』というネガティブなイメージを夫に植え付けてしまいます。
厳密に50:50で分担することを測定することは不可能である以上、平等を意識するような会話を全面に押し出すのは危険です。
ただ、家事にどれだけの種類と数があるかを紙に書いて夫に把握してもらうのは、とても有効だと思います」
5.夫に期待していない
例.「言ってもやってくれない」「私がやったほうが早い」と思っている。
下木「そもそも多くの夫は家事に対しての意識が低いものですから、夫の家事クオリティ、スピードにうんざりしている妻は多いですよね。
でも、それが夫の家庭内での居場所を奪ってしまう原因にもなるのです。
例えば、家庭で活躍できない夫は、他の場所、主に仕事場でより活躍しようとします。また、仕事場の活躍を評価してくれる女性のことを好きになってしまったりすることも…」
6.「なんで」を使う
例.「なんですぐにしてくれないの」「なんでできないの」「なんでいつも◯◯なの」など。
下木「なんでと言われると、とっても見下されている感じがします。男性は、相手が誰であろうと、見下されるのがすごく嫌なんです。といっても、夫のほとんどが『無視』による抵抗。
実は、男性ってとことんチヤホヤされたい生き物なんですよね。男性だって、自分のことが面倒だとは思っています。でも、どうしようもないものなんです」
夫への上手な頼み方・声かけの方法
妻には想像がむずかしい、夫の心情を知りえた気がしますよね!
では、これらを踏まえて、夫への家事を頼み方や、声かけの上手な方法を下木さんに教えていただきました。
1.簡単なミッションから与える
下木「夫は何をしていいか分からない。世の妻たちはこの重大な事実を知らないのかもしれません。だから、家事をやってくれないことに対してイライラし、『自分のことや、家族のことを大切思ってくれない!』と傷ついてしまいます。
特に育児は、『二人の子どもでしょ!?』という意識が強くなり、手伝ってくれないことに対して強い怒りを感じがちです。
頼み方のイメージは、妻は店長で、夫は新人のアルバイトというのがいいと思います。新人さんに教えるように、具体的に、簡単なミッションから与えること。それが適当だと思います」