いま、毒親に関するニュースがたびたび報道されています。
親との人間関係は子どもの人間関係や、人への態度の基本。
その大切な関係で、愛情、安定感、信頼に関する経験が辛いものになると、大人になって色々な人間関係を築く際、どうしても厳しい影響を受けざるをえません。
そこで今回は海外の研究結果を参考に、毒親から生き延びた子どもが大人になり、恋愛をするときに苦しみがちな7つの問題を探ります。
1:なじみのあるパターンを繰り返して縛られる
親は子どもにとって、幼い頃からの最も影響力の強い行動モデル。その結果、子どもは親と同じパターンの人間関係を持とうとしがちです。
そのパターンには、多種多様で攻撃的・ネグレクト・自己愛的・薬物乱用・罪悪感で人を操る・抑圧などがあります。
アメリカのニュースサイト『CNN』によると、親と同じパターンの言動をする相手を見て、「これはまずい」と距離を置くことのできる幸運な毒親の子どももいますが、たいていはその逆になりがちなのだとか。
無意識のうちに、毒になる行動を愛情ある行動と思いこんだまま自分を傷つける恋愛関係に縛られてしまうケースが多いのです。
2:無償の愛を信じられない
自己愛型の毒親の子どもに多いのがこのタイプです。
自己愛型の親にとって、愛とは常に条件付き。つまり、どれだけ親が自慢できるかどうかが、子どもへの愛に直結するというものです。
このひも付きの愛は、他のタイプの毒親にも見られ、子どもに長期に渡る悪影響を及ぼすことが報告されています。
アメリカの新聞『The New York Times』電子版によると、親の価値観の成功を得なければ、愛が与えられない子どもは、自分の価値を認めることが難しく、親との関係が非常に複雑になりがちになるそうです。
また、自分の子どもとの関係も条件付きになりがちで、子どもと絶縁状態になる人も珍しくありません。
愛に関する経験が条件つきしかなければ、どうなるのでしょう。
成功するかしないかに関係なく、あなたを愛するというパートナーがいてくれても、それが何を意味するのか、わからないかもしれません。むしろ、怯えてしまう人もいるかもしれません。
無償の愛の経験がない毒親の子どもにとっては、奇妙で疑わしいものに感じられてしまうからです。
3:自己重要感を保てない
自然な自己重要感は、健全な人間関係を築くために不可欠なのですが、毒親の子どもは、この感情を維持するのに辛い思いをしがちです。
『毒になる親』の著者であるスーザン・フォワードは、毒親の子どもにとって自己は、奇妙な概念であることがよくあると強調しています。
自己の認識があってはじめて自己重要感があるのですから、自己重要感を保つことがどれほど困難か、ちょっと想像しにくいぐらいですね。
価値がないとか、価値は条件次第だと言われ続けてきた子どもが大人になったとき、自分に価値を見いだすのに苦労するのは、残念ながら当然と言えるでしょう。