ママが家事で忙しいときなど、子どもにテレビを見せてしまうことは多いもの。ある調査では2歳までの子どもの90%が1日1〜2時間テレビやDVDなどを見ているといいます。

しかし、乳幼児のテレビ視聴には問題が多く、米国小児科学会は1996年に「2歳まではテレビ視聴は一切ダメ」との見解を発表しています。(非現実だと見られ、2013年に「推奨していない」と改訂)

子どものテレビ視聴にはいったいどんな問題があるのでしょうか? また効果的な見方はあるのでしょうか?

書籍『いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55』の中から、ピックアップしてご紹介します。

2歳までは“ゆるく”テレビ禁止を!

少なくとも幼児期までは、人間の脳は対面の交流によって学ぶようにプログラムされているそう。そのため、2歳までの乳幼児がテレビを視聴することにプラスの影響はないといいます。

それどころか、赤ちゃん向けの知育ビデオはボキャブラリーを損なうこともあるというので要注意。

日本でも人気のある『セサミストリート』は2歳未満の子どもの言葉の表現力を損なうということが2種類の実験で証明されているそうです。(ただし、2歳以降は就学準備など役に立つ分野もあります)

とはいえまったくテレビを見せないというのは現実的でありませんよね。ですから2歳までは子どもにテレビを「あまり見せない」ということを心がけてみてください。

2歳以降は“参加型”の番組を活用

2歳以上の子どもは、自分が参加できるようなタイプの番組を視聴すると、語彙力や社会性を伸ばすことができるそう。

参加型というのは、キャラクターなどが子どもに話しかけたり、子どもにモノの名前を言うような機会を与えるもの。アメリカの番組では、『ブルーズ・クルーズ』や『ドーラといっしょに大冒険』がそれに当たるといいます。

ただし、視聴は1日2時間まで。その理由はいくつかありますが、子どもの睡眠を妨げてしまうというのは深刻な問題。睡眠不足は長期的に見て子どもの学習能力に悪影響を及ぼします。

また、1日2時間以上テレビを見ている子どもは集中力の持続時間が短いというデータもあるそうです。