JAM Projectの代名詞とも言える『スーパーロボット大戦』シリーズのメインテーマから、本格ヘヴィメタルナンバー「MAXON」「NOHA」を繰り出してから、『牙狼』シリーズの「Name is GARO~光明の使者~」「ZERO -BLACK BLOOD-」「月華」へ。

楽曲の個性のみならず、作品に因んでセットリストが構成されているのというのが、アニソンユニットらしいニクい演出だ。“『スーパーロボット大戦』シリーズの楽曲はプログレッシブなヘヴィメタル超大作”、“『牙狼』シリーズの楽曲は個々のメンバーのバケモノじみたヴォーカルスキルが存分に発揮されるミドルナンバー”といった対比が楽しめるのも興味深い。

中盤のセクションでは、メンバー5人がふた組みに分かれて、それぞれ楽曲を披露するバラエティ豊かなステージが続いた。ダンサブルな「Survive」では、奥井雅美のみずみずしい歌声と、きただにひろしのセクシーなハイトーンが絡み合い、2人の声が5人の時とはまた違った響きを感じさせる。影山・福山・遠藤のトリオによる「WE ARE ONE」は、ファルセットを多用するムーディーなジャズナンバー。パワフルな楽曲のイメージのJAM Projectだが、艶っぽい曲を歌っても当たり前のように超一流で恐れ入った。

メンバーがスープカレー専門店“マジックスパイス”のファンだということから生まれた「Magical Mystery Spice~マジスパのテーマ~」では、アラビアン風にスカーフを巻いたメンバーが踊り、ファンを驚かせた。活動16年目をこえてもなお、新しいことに挑戦していく姿勢こそJAM Projectの魅力の源泉なのかもしれない。

そして、歌詞に因んで爪を立てるようなヴァンパイア風の振り付けが楽しい「NAWABARI~背徳のシナリオ~」の後は、毎ツアー恒例のアコースティックコーナーへ。福山・影山がツインギター、きただにがベース、奥井がボンゴ、遠藤がジャンベ、という編成で、「紅蓮の月~隠されし闇物語~」「Battle Communication!!」の2曲を披露した。

アコースティックライブ風の暖かい雰囲気のなか、MCではツアーの思い出話に花が咲いた。ツアーの合間にアニメフェスイベントで訪れたアブダビでは、宗教上の理由で客席の女性を指差してはいけなかったとのこと。「なのにきただにはすっかり忘れて指差してしまっていた。」(影山)と、初めて訪れた土地でのエピソードをうちあけ、JAM Project ならではのワールドワイドなネタに笑いが起きていた。