お笑いコンビ、よゐこの有野晋哉さんといえば、人気バラティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』や『いきなり! 黄金伝説。』への出演でお馴染みのお笑い芸人さんです。
お茶の間の人気者である有野さんは、様々なバラエティで活躍する一方で、ゲームやアニメ、アイドルといったオタクカルチャーを扱った番組にも数多く出演、"オタク系タレント"と呼ぶべき顔も持っています。
そんなオタク系タレントとしてのおもしろさが存分に詰まった代表作である『ゲームセンターCX』は、放送開始から10年以上続くフジテレビCSの看板番組となり、有野さんがゲーム攻略に悪戦苦闘する姿を収めたDVD BOXシリーズも大ヒット。先日、その最新作となる『ゲームセンターCX DVD-BOX12』がリリースされたばかりです。
人気テレビタレントであると同時に、自身の知識と趣味を活かしたマニアックな番組でも、その魅力を発揮する有野さん。
そんな有野さんの姿は、同じくゲームやアニメ、マンガといったポップカルチャーを愛するオタク型の人間にとって、一つの理想像ではないかと思うのです。
オタクカルチャーを笑いへと転化するセンスが凄い!
ゲームやアニメ、漫画といったオタクカルチャーをバラエティにした"オタク系バラエティ"に数多く出演をされている有野さんですが、そうした番組を観ていて毎回「凄い!」と思わされるのが、やはり、その笑いのセンスです。
例えば、『ゲームセンターCX』で、番組のメインであり人気企画の『有野の挑戦』。
この『有野の挑戦』は、有野さんが演じる"有野課長"が古いゲーム(レトロゲーム)の攻略にチャレンジする企画であり、延々と(時には、数日に渡って何十時間も!)有野さんが失敗を繰り返しつつ、地道にエンディングに向かってゲームを進めていく……という内容になっています。
部屋の中で、有野さんがモニターに向かってずっとゲームをやり続ける姿が映し出されるだけ。ハッキリ言って、かなり絵としては地味なのですが、これが本当におもしろいのです!
それぞれにキャラの立った番組スタッフとのやり取りや、有野さんのお世辞にもテクニカルとはいえない絶妙な"ヘタウマ"操作、そして、何度も何度も失敗しながらも、根気強くゲームを続け、エンディングへとたどり着いた時の感動……と、番組の見どころはアチコチにあるのですが、やはり、"お笑い芸人"である有野さんのトークが、このコーナー最大の魅力。
『有野の挑戦』出演時に、有野さんがよく使用する笑いのテクニックが、キャラクターや世界観、ストーリーといったゲームを構成する各要素に対して、日常的な目線に根ざしたツッコミを入れるというものです。
例えば、カラーリングをちょっと変えただけで再登場した敵キャラクター対して「着替えてきたのか!?」とすかさずツッコミを入れ、サングラスをかけた敵キャラが出てくれば「タモさん!」「アルフィーの人や!」と、その見た目を誰もが知っている有名人や日用品に例えてイジってみせる。
ファンタジー、SFといったフィクションの世界観やレトロゲーム特有の独特なグラフィックが、生活臭のする現実的な話に落とし込まれ、そのギャップが笑いを生み出すわけですが、こういうちょっとしたツッコミがセンス抜群で、いつも笑ってしまいます。
ただ単に、ゲームをプレイし紹介するだけではなく、それを笑いにしてみせる。観ている人を楽しませる。このエンターテイナーとしてのスキルの高さは、本当に凄いと思います!