子育ての負担を少しでも軽減しようと、各自治体はさまざまな子育て支援を提供しています。
東京都杉並区の「子育て応援券」(一時保育、子育て相談、子育て講座などの有料の子育て支援サービスに利用できる券を、就学前のお子さんがいる家庭に発行)や、埼玉県ときがわ町の「パパ・ママリフレッシュ切符」などが一例です。
支援の内容は自治体によって異なり、個性が出るところです。隣り合う自治体でもかなりの違いがあるようですよ。
こういった支援の内容は、子育て中に引っ越しを考えている人にとって、どこに住むかを決める一つの大きな要素になると思います。
そこで、全国の自治体から、ユニークな子育て支援サービスや、うちの地域にもほしい! と思うようなものを紹介します。
1歳になるまで産前産後無料サポート
産前産後の家事などをサポートする制度は、比較的多くの自治体でみられます。料金もかなり良心的で、1000円を切るところも多いです。
ところが、茨城県日立市は、なんと無料での産前産後サポートを行っています。条件は、子どもの年齢が1歳になるまで、最大で20回(多胎40回)、1日1時間半ということです。
多胎児は倍の時間利用できるのは、該当する家庭にとっては涙が出るほど助かるのではないでしょうか。
小学校1年生になったら
また、日立市の子育て支援には、一風変わったこんなものもあります。それは、「ランドセル支援」です。
市内で小学校に入学する新一年生は、入学式当日に、黒か赤のファスナー式薄型ランドセルがもらえます。すごく軽くて、重さにして550グラム!
昭和50年から続いているそうですから、地元で母親になった人には親子2代で感慨もひとしおですね。
産後のきめ細かいケアが受けられる
今の日本には、産後まもなく心を病み、赤ちゃんをおいて自殺してしまう女性がいます。
産前産後にヘルパーを派遣するサービスはけっこうありますが、産後女性のケアにも心を配った「産後ドゥーラ」をご存知ですか?
一般社団法人ドゥーラ協会が派遣する産後ドゥーラはときに、ママの話し相手にもなります。上の子と遊んでくれたり、ひたすら寝かせてくれたりもします。
産後ドゥーラ自身も子育てを経験者ですが、それに加えて一定の期間養成講座を受けた専門家です。家事だけでなく、子どもの世話もお手のもの、さらに産後のママのゆれる心にも寄り添ってくれるのです。
産後の女性は、ただ家事をやってもらえればいいというものではないということをちゃんとわかってくれているのですね。
都内だと、杉並区や世田谷区などが、自治体が発行するチケットで「産後ドゥーラ」を利用できます。
みんなで住むならサポートします! 住宅補助
石川県輪島市には、子育て支援にもつながるこんな住宅補助の制度があります。その名も三世代ファミリー同居・近居促進事業(住宅補助)。
子育て中の人が、両親と同居又は近居のために住所変更した場合に、住宅にかかるお金が一部助成される制度です。住宅にかかるお金とは、たとえば、新築、購入、増築、改修などです。
一緒に住むのはちょっと、という人も、お互いの家が直線距離で2キロ以内であれば、対象になります(近居)。
核家族化が進んで久しいですから、大人数の家族はむしろにぎやかでうらやましがられるかもしれませんね。なにより、孤独なワンオペに陥る危険はグッと減るのではないでしょうか。