幼児教育というと、幼い子どもに文字の読み書きを覚えさせたり、英会話教室に通わせたりするようなイメージがありますよね。
しかしテレビなどでも活躍している齋藤孝先生は、著書『賢い子に育てる 最高の勉強法』の中で、就学前に身につけたいのは、想像力や上達力など、今後勉強や仕事をする上での基礎になる力だといいます。
では、それらの力は一体どのようにすれば身につけられるのでしょうか。きょうは本書からそのポイントをピックアップしてご紹介します。
読み書きよりも情操を育てることに注力する
齋藤先生は子ども本人が字を覚えたいと言わない限り、親が一生懸命に読み書きを覚えさせる必要はないといいます。
小学校に入る前はそれよりも子どもの情操を育てることに力をいれるべきだというのです。
そのための親の役目は、子どもが「この世界は楽しい」「自分はこのままでいい」と感じられるようにすること。小学校に入るまでの7年間は愛された経験や褒められた経験をしっかりと子どもに授けることが大切なのです。
絵本をしっかり読み聞かせて想像力を鍛える
子ども時代にはしっかりと想像力を育むことも必要です。
絵本の世界に夢中になる感覚は、子どもの心のよりどころにもなるものだといいます。絵本はアニメのように次々と場面が展開するものと違い、自分のペースでゆっくり読むことができます。
ポイントは必ず親がしっかりと読み聞かせをすること。まだあまり文字の読めない子どもに自分で読ませようとすると、文字を読むことだけに集中してしまいます。
しかし、誰かに読んでもらうと言葉は自然に耳から入ってくるので、想像の世界に浸ることができるのです。
絵本を読むとき、子どもは限られた要素の中で、例えば登場人物の声や性格はどんなものだろうと自分の中で補いながら完成させていく必要があります。
このような、ないものをイメージできる力が、実は今後の仕事に求められるもの。この力があれば困難な場面でもアイデアで乗り越えていけるようになるといいます。