初舞台に挑む広瀬アリス

 舞台「世界」の初日前日会見が10日、東京都内で行われ、出演者の風間杜夫、大倉孝二、早乙女太一、広瀬アリス、青木さやか、和田正人、福田転球、赤堀雅秋、梅沢昌代が登壇した。

 本作は、地方都市で町工場を営む足立家を中心に展開する群像劇。

 “昭和の駄目男”を思わせる足立家の父・義男を演じる風間は「いい人は出てきません。みんなはらに一物ある人間です」と作品を紹介しながら、「若いころの自分の周りを思い返すと、よく知っているなという風景。大変、近しいリアルなお芝居です。この作品が大好きです」と笑顔でアピールした。

 一方“デリヘル嬢”役で初舞台を踏む広瀬は「稽古に入る前に(演出も兼ねる)赤堀さんとお会いして、たわいない世間話をしたんですが、2、30分たった時に『もう(つかめたので)大丈夫です』と言われて。その時に私の“何か”を見て、台本の人物像を作っていくのかな…と思っていたのですが、それがデリヘル嬢の役でした」と語り、苦笑いを浮かべた。

 初舞台は「分からないことだらけ」と戸惑いもあるようだが「正面からぶつかっていこうという気持ちで毎日稽古をしました。まだ緊張が勝っていて、舞台に立つと毎回手が震えてしまいますが頑張ります」と言葉に力を込めた。

 引きこもりだったが、町工場で働くことになった青年・辺見を演じる早乙女は「学校のノリのまま仕事に来ているチャランポランな、中身のない、自分が一番毛嫌いしていたような人物を(芝居で)やれるという楽しみがありました」と明かした。

 稽古では“若者特有の言葉使い”で苦労したそうで、「普段のような(大衆演劇の)白塗りもできないし、刀も持てないので、裸のまんまで舞台に立つ感じ。繊細なお芝居なので、緊張しています」と語った。

 なお、スナックのママ役で出演予定だった鈴木砂羽は体調不良のため、急きょ会見を欠席。それに伴い、会見後に行われる予定だった公開舞台稽古も中止された。

 その後、舞台のホームページ上で、主催者側が「『世界』公演におきまして、出演者にインフルエンザ陽性反応が出たため」という理由で、初日が11日から14日に延期になったことを発表した。